CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

おかげさまで2021年

昨日の陰ヨガ、本日の特別レッドクラスと、年の締めくくりにふさわしい、よき時間となりました。

終わりよければすべてよし、です。


年末年始はそもそも休暇でもないので特別なことはしないと決めています。それに外出がままならないので(コロナではなく老犬マターで)、伸びた髪はそのままでいいやと思っていたところ、なんと銀座のオサレなお店からヘアスタイリストさんが出張して髪をカットしてくださいました。

ごちそうなんかもいらないやと思っていたところ、手ずから釣り上げた鯛をいただきました。

ましてや、老犬には正月も関係ないと思っていたところ、犬用のおせちが届きました。

お屠蘇はなくてもいいやと思っていたら、屠蘇散(お酒に漢方生薬を入れて飲むもの)が届きました。

お供え餅はなくて当たり前と思ったら、羊毛フエルト細工のお餅をいただきました。

ありがたや、ありがたや、です。
今年も、みなみなさまのお布施で生きのびることができたCHAZENとちゃみ&シュー理事長でございます。

とはいえ、何より私を生かしてくれたのは、練習生の練習する姿。

わが子がすくすくと成長することが何よりの喜びであると同じく、練習生が練習に深い意味を見つけて一生懸命取り組んでいる姿を見ることが私の生きがいです。さらに、今年は漢方を学んだおかげで人が健康になっていく喜びまで味わうことができて、生きがいマシマシです。

もはや自分の不調さえもまたとない勉強のチャンスととらえて、嬉々として実験を繰り返す私ですが、その後の漢方と呼吸法治療の効果が著しく、今日はだいぶ調子がいいです。最初にして最良の実験台である漢方ドッグことシュー理事長の体調もよろしく、めでたくもよい年が迎えられそうです。

お年を召して何より寒いのがご不満になられた理事長の、最近の定位置はヒーターの前。ふだんは満足気にじっと佇んでおいでになるのですが、ふと見たら倒れている!

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力尽きた......


それでも「眠っている場合じゃない」と思われたのか、むっくり起き上がってきては崩れ落ち、を繰り返していらっしゃいました。

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よろめきの......


最後には、ヨガーサナ的なすごい体勢で陥落しておいででした。

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命名:クールマニドラーサナ


さきほど年内最後の仕事を完了し、土曜日にかさなって明日は久しぶりに休日の元旦です。

今年も本ブログをお読みいただきありがとうございました。来年もCHAZENをどうぞよろしくお願いいたします。

マインドの大掃除

食養生して、たくさん寝て、漢方薬も飲んでみてはいるけれど、なんかおかしい。さっきまでお腹空いてたのに急に気持ち悪くなったり、ちょっと動いただけで動悸がしたり、突然耐え難い怠さが出たり頭が痛くなったりしている。体調いいなと思っていると「急」に落ちるので予測ができない。

身体がイカれちまったこの感じ、ずっとずっと昔の若いころ、思い悩んだり、夜遊びが過ぎたりしたときと同じだ。要するに自律神経がおかしくなってしまっているので、アウトオブコントロール不定愁訴のオンパレード。漢方でいう心(しん)というのは心臓のことだけでなく、精神状態に関することでもあるので、心血虚というのはまさに自律神経失調症的な証でもある。

脚下照顧。
漢方のことばかり考えるあまり、自分の足元を見失っていた。自律神経をととのえるならば、なによりヨガの出番であった。

ちょうど年末年始は朝の開始時間が遅いから、朝晩呼吸法プログラムを取り入れた集中治療ウィークを開始した。本を読んだり、勉強したり、インターネットやYouTubeを見る時間を呼吸法&瞑想・坐禅に変更して、できるだけ頭を使わない、目を使わないようにするのだ(ブログを書くのはオッケー)。

呼吸法をしていると、長い吐く息で頭のゴミが出て行って、吸う息では新鮮な風で塵芥を吹き飛ばしていくかのよう。毎日これを続ければ、夢も見ずにぐっすり眠れるようになる気がする(まだ夢が多い)。これは脳と身体の大掃除だ。

長年の習慣で、呼吸法のあとは瞑想に入るのだけれど、今朝は呼吸法に続けて坐禅をしたら、坐禅中もナチュラルに呼吸法をしてしまっていることに気づいた。「なんにもならん禅」ではふつうはいかなる呼吸法もしないのだけれど、たまにはこういう坐禅をしてみるのもアリだ。

呼吸法をすると、どんどんいらないものがなくなって、ひじょうにすっきりと頭のなかが整理される。そうすると、大事なことだけが降りてくるので、仕事や勉強にも好都合。政治家や実業家が坐禅をするのはこういうことなのだろう。

私の目指す「なんにもならん禅」的には邪道だけど、治療に使うなら十分だ。さて、効果やいかに。

年末は大掃除の季節だけれど、家の大掃除とともに、マインドの大掃除もぜひどうぞ。明日の陰ヨガのテーマもこれだな。


練習後に職場の大掃除に向かった某嬢と理事長のペアルック。

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ベスト作業着ストなオレたち

聖なる夜に

体調悪い日が続いて、いつになく気弱になった。病というものは、気力を奪うものである。体調悪くてもCHAZENマイソールを休んだことはまだないから、セットされた機械のように淡々と仕事をこなしていた。

朝、しんどいなと思いながら掃除したり犬の世話をしていたら、しんどさに執着している自分に気づいた。「不快な症状にばかり目を向けるとよけいそれが強く感じられる」と言っているのは他ならぬ私自身ではないか。頭でわかっていてもやっぱりこういうパラドックスにおちいってしまうものなのだな。

もっと重症になると逆に「負けないぞ」という気持ちが強くなるので、痛みや不快さを逃がすことがわりと上手にできるのだけど、軽症かつ不眠が原因の心血不足ゆえ、ふだんの私らしからぬ(可愛気のある)精神状態になっている。

それで、心を込めてていねいに掃除をすることにした。
しんどいと思うことをやめようとすると、やはりそこに執着してしまうので、ゆったりと呼吸に集中しながら練習をするように、ゆっくりていねいに雑巾掛けをしたら、不快さが吹き飛んでいた。

さっさと終わらせることだけを考えてやるお掃除と、これから来る練習生に思いを馳せながら、あるいは床や棚に感謝しながらするお掃除はまったく違うものだ。義務でする掃除と趣味でする掃除くらい違っている。

もちろん、心のあり方もユダからイエスさまくらい変わっていた。

明日はクリスマス。グッズたちを集合させてみた。

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90%いただきもの


このシューサンタの絵はいつのだったかなと例によって検索したら、11年前の今日のブログが。

chayoga.exblog.jp


こんなのも出てきたぞ。

chayoga.exblog.jp


そして、また新しいお友達が仲間入りした。雪だるまたち made by コボちゃん

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だるま三兄弟on理事長


もうひとつのプチシューと同じく羊毛からの手作りであるばかりか、実はこの子たちの中にはシュー毛が入っている、いわばシューの分身なのだ。

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分身を頭に戴く仏頂面的な(寝てるだけ)理事長


みんなから愛されて、クリスマスに90歳の誕生日を迎えられそうなシュー理事長と少しのんびりとした時間をすごしつつ、血を補う牡蠣と緑黄色野菜、くるみと干し葡萄のディナーをいただき、漢方薬で乾杯するクリスマスイヴです。

メリークリシューマス!

心血の枯渇

日曜日がムーンデイだったので、房総方面に出かけた(連れていってもらった)。

特別体調が悪かったわけでもないのに、鋸山というところで延々と続く石段を上っていたら、上り始めてすぐに妙にイヤ〜な感覚がして、脚は上がらないし、息は切れるし。引きこもり生活の運動不足だと思い、途中休み休み上っていた。

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紅葉を撮るフリをして休む


あまりに足が動かないので、なりふり構わずお婆さんのように手すりにつかまってなんとか進むが、息が苦しくて具合が悪くなってきた。同行諸氏に先に行ってもらい、階段の途中でしばらく立ち止まって休むが、酸欠状態で頭が締めつけられるように痛く、気持ち悪くて、動くことができない。たぶんマスクのせいもある。

高校時代に貧血と診断されて、得意だった長距離が走れなくなったときのことを思い出した。ただ、そのとき半年間通院治療してちゃんと治したので、以来血液検査で引っかかったことも、息切れなどの症状が出ることもなかった。禅の旅でもリトリートでも、山道はいつも駆け上がるように先頭切って歩いていたのだけどね。

ほんとに血虚になってしまったらしい。

血虚というのは血(けつ)が不足しているということで、中医学的には全身に栄養物質を届ける機能の低下をあらわす。西洋医学的な貧血イコール血虚というわけではないが、貧血に近いと思う。酸素が運ばれないので息切れするようになる。

帰ってきてからも具合が悪く、舌を見たら今まで見たことのない血虚の舌になっていてびっくり。夏の間は湿で大きく膨れ上がっていた舌(体のむくみと同様に)が、今は反対に痩せて乾燥した舌になっている。

すごい、教科書どおりだ。
もしかして、中医学の実習のために、わが身体が自らいろんな病症になってみせているのか?

それにしても、介護疲れや、勉強疲れで血虚になるとは思わなかった。そういえば、持てる力をすべて出して何かを行うことを「心血を注ぐ」というけれど、心血を注いだら心の血が不足するのかな。

せっかくのチャンスなので、血を補うものを摂取し、漢方を飲んで、みごと復活するところまで実習しないとね。

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富士山がきれいな1日でありました

多夢にも漢方

理事長がご老体になられてから、私の夢見が激しくなった。夢か現かわからないようなリアルな夢から、映画とかテレビ番組的な妄想夢まで多彩な夢を見る。

たとえば、しばらく前にハマっていたドラマ「三国志」に出演していた俳優さんたちが、リゾートに集結して三国志について語るという企画とかね。海上に浮かんだ船の中で水着に近いリゾートウェアに身を包んでいるのに、それぞれがどこか漢の時代の登場人物を彷彿させていて感心している夢。

こういう妄想は自分を楽しませてくれるものであると同時に、苦しめる元凶でもある。修行が十分になされているときは、妄想が減って穏やかに過ごすことができるのだから。

あるいは、犬に寝床を占領されて不自然な姿勢で寝ているために、へんてこりんな夢を見ることも。

chamico.hatenablog.com


夢の中でサンスクリットと闘っていたり、漢方方剤を探していたり。そういえば多夢というのは不眠の一種で、血(けつ)の不足すなわち血虚の症状だ。それに、犬の病気やらコロナやら何やらで、常に考えすぎているこのごろ。

先日、朝ぞうきんがけでしゃがんだら動悸がしてきた。

これは漢方で勉強した心血虚ではないか?

思慮が多すぎると、心(しん)の血を消耗する。さらに、新年に向けてWebサイトをリニューアルする作業を続けているので、最近はずっとモニターを凝視して目を酷使しているから、なおさら血が不足するのかもしれない。

そんな昨夜、脚がつってなかなか治らなかった。こむらがえりもまた血虚を示すもので、これはいよいよ揃ってしまったようだ。


そうだ、あの煎じ薬!

今朝、坐禅をしているときに閃いた(実は坐るといろいろが下りてくる)。漢方薬を試し飲みするならやっぱり煎じ薬と、いくつか取り寄せておいた中に血虚に効く方剤があるのを思い出したのだ。

漢方薬は自分の証に合っているとおいしく感じられるというのは知っていたが、漢方薬を飲むのをやめるとき、つまり症状が改善されてもう必要でなくなると、今までおいしく感じられていたものが飲みにくくなってくるという。そして、いくら証に合っている漢方薬でも、もしどうしても飲めないなら別の薬に変えたほうがいいのだそう。

こういうところが、めっちゃ面白い漢方の世界。味で決まるなんて、ふつうの薬ではありえない。だから、エキスの錠剤なんかではなく、ちゃんと煎じ薬でお味見してみようと思ったわけさね。

で、コトコトと小一時間煎じて飲んでみたら、うん、けっこうおいしく飲める。心血虚ズバリの薬ではないのだけど、わりと私には合う方剤なのかもしれない。そしてこのお薬は、がん研有明病院の先生が多くのがん患者に処方すると書いておられたので、シューさんにもちょこっと飲ませてみた。

さすが漢方ドッグ。
躊躇せずおいしそうに飲み干した。ちなみに、ガンに効くというなんちゃら茶(お高いやつ)をあげたらソッポを向いて一口も飲まなかった。コーヒーや紅茶もミルクが入っていない限り飲まないのに、濃くてそれなりに苦味のある煎じ薬はよろこんでペロペロするとは......。

ところで、先日シューさんがお腹こわした日の前後は私も体調がすぐれなかった。食欲があまりなく、頭痛がひどく、かぜという感じでもなかったけれど、葛根湯証とみて飲んだら頭痛はとれたが、どことなく不調ではあった。

それが、きょうは朝からやたらお腹が空いて、ここには書けないくらいたくさん食べているのにまたお腹が空く。

なんかおかしい......と思ってから気がついた。あれは血だけでなく、気を補うお薬ではないか。消化機能を高めて食欲不振を改善し、気力を与える効果の高い方剤ゆえ、お調子者が飲むとさらに調子に乗ってしまうのではないか。あぶないあぶない。次は夏の弱りきっているときに試してみよう。

漢方薬の多くには、脾胃の機能を高める生薬が含まれている。
食べたものを栄養として全身に届ける機能が衰えると、あらゆる臓腑に影響するからだ。ちゃんと食べて、ちゃんと消化できていれば元気でいられる。シュー理事長を見れば一目瞭然だ。

見た目からは感じられないけれど、シューさんの内に秘めたる生物としてのパワーがすごい。漢方は、そのパワーをどんどん引き出してくれるように思える。そして私はさらに漢方にハマり、考えすぎたり目を使いすぎたりして血が足りなくなるという......。


窓辺にたたずみ、過ぎ去りし日に思いを馳せる......

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......ことのない、天然グルでした

ますます楽しい天使たちのスートラクラス

きのうは新しいヨーガ・スートラのクラスの2回目でした。
帰っていく人たちを見送っていときにいつも感じるのですが、みなさん晴れ晴れとした朗らかなオーラをまとっているのです。確かに羽根をつけた天使のように見えます。

そういえば私自身が、スートラクラスのあとはとても気分がいいのでした。たとえ肉体が疲れていたとしても、精神状態はほんわりとしたやさしいものに包まれているのです。終わったばかりなのに、次が楽しみになるようなそんな気持ちになるのは、天使たちの姿が見られるからなのだと気づいた次第です。

与えるフリをしながら、実は私がいちばん与えられているという事実......。

CHAZENのスートラクラスは、参加している人すべてによって形成されていて、これだけは、私がいくらそれを願って努力したとしても得られないものなのです。むしろ私から発しているのは、天使とは程遠い「オラオラ」オーラですのに、全体の出来上がりは天使になるのですから不思議な気もします。

CHAZENの座学のテーマは「日常をどう生きるか」です。それが次のクラスまでの間に、何を考え、どう練習するかという宿題でもあります。1回参加するたびに自分のなかで何かが変容したり、以前はわからなかったことがつながって腑に落ちてきたり。この宿題で毎日がより生き生きと楽しくなること請け合いです。


ムーミンのシュトレンをスートラおやつにしようと、理事長と後楽園まで買いに行ったのですが、今は売ってないみたいで残念。

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理事長の気晴らしにはなったかと......


マイソールの時間に寝ないように仕向けたら、作戦どおりスートラクラスの間ぐっすり寝ていた理事長でした。

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なに? おやつの時間がもう終わったって?

シュー理事長健在なり

CHAZENでお米を作らなくなってからも、自主的に田んぼを借りてお米作りを続けている人たちがいるんですよ。しかも、私はただの一度も手伝っていないのに、毎年年貢米を納めてくださる。

そんな貴重なお米があるなら、やっぱり禅の作法でありがたく、恭しくいただきたいじゃないですか。ところがこのご時世でそれがままならない。調べたら前回は約3年前でした。細かい流れがすっかり忘却の彼方なので、応量器セットを揃えていたお仲間たちを招集して、記憶を呼び覚ますリハビリ要素の強いお粥の会を行ったのでした。

もっとも昨年11月に簡易版のお粥の会をしたようなのですが、そのときの記憶がありません。というのも、その数日前、理事長に初めてのてんかん発作があり、大きな精神的ダメージを受けた直後だったのです。あのときは1年後があるなんて想像すらできないような気分でした。


さて、お粥の会の準備が整い、理事長にもお昼ご飯を差し上げて、おそばでお休みいただくようベッドをおいてスタートしました。

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何か気になっているご様子


あまり細かい作法にはこだわらず一応通してやってみるという感じで、したがって緊張感も薄く。ややアヤシイところがありながらも、概ねつつがなく進行しました。

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百合根と緑豆入りの玄米粥、漬物、ごま塩


ふと気づくと、隣に理事長がいらっしゃってました。

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オレの飯台は?


さすがです。食事の会のときは黙って寝てなどいられません。反対側に座っていた人は目の前の理事長がおかしくてたまらなかったそうです。

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さっきお昼を召し上がったばかりでは......


ひととおり終わってお茶を飲んでいたら、用がなくなったかのようにコテっと寝て、でも余った漬物をお茶菓子代わりに食べはじめたらムクっと起きてきて、食べ物がすべてなくなったら、ようやくグーグーお休みに。

あまりにも理事長らしいふるまいに、まだまだシューさん健在なりと胸をなでおろしました。そういえば、かつてお粥の会のときはシューを室内でつないでおいてましたね。なるべく本式に近づけて床で食べてましたから、油断するとぺろっとやられる人が......。

ほんの少しコロナ以前が戻ってきたような、平穏を感じる今日の会でした。