CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

千里の道も一歩から

この時期はふだん三寒四温のはずなのですが、このところ毎日あたたかく、あんなに消費していた薪がはじめて供給過剰になりました。それでも作業のto doリストは増える一方で、毎日ヘトヘトです。

このところご近所さんの家の方向でチェーンソーを使っているので、お庭にいたきれいな奥様に「うるさくてすみませーん」とご挨拶をしました。エンジンかけてブルンブルンいうチェーンソーとは違って充電式の音控えめなヤツなので、ご迷惑ではないようでしたが、「お仕事なんですかー?」と言われて一瞬答えに窮してしまいました。予測不可能な質問でしたから。毎日チェーンソー→プロの与作? それとも私の外見がそれっぽく見えるのでしょうか。ヘイヘイホー。

CHAZENサンガの活動は順調に5ヶ月目に入っております。仏典、ヨーガ・スートラのオンラインクラスでは、プレゼン用のソフトを使っていて、なかなか好評です。これまでアナログ風味にしたくて使用を避けていたのですが、図やチャート、アニメーションを使うと単に話して説明するよりわかりやすくなるだけでなく、前月のスライドを利用して復習をするため、当日の内容にシームレスにつながるのでさらに理解が深まるようです。遠隔地にいても、用事があっても欠席しても受講できるという利点を含むと、もはやオンラインが欠かせない状態になっています。

CHAZENのマイソールで練習していた人たちのほとんどが、新しい場所に集って、あるいは自宅で練習を続けています。呼吸やアーサナのことは、オンラインでは限界がありますので、今月は久しぶりに東京でマイソール&ワークショップを予定しています。久しぶりの東京はどんな感じがするのでしょう。サンガのみんなにナマで会えるのが今から楽しみです。

月に2回ムーンデイに行っている呼吸法のクラスでは、呼吸法を練習してそのあと瞑想に入るパターンと、呼吸のキャパを向上させるエクササイズ的なパターンを試みています。アシュタンガを練習していると、呼吸だけにフォーカスして練習する機会が少ないこともあり、呼吸開発法がかなりおもしろくなっています。

今日は日中にオンラインサンガの会で食事についてのお話を交わし、このあとは星覚さんの坐禅会の予定です。細々と続けてきた坐禅会なので何年もかかりましたが、ついに、まもなく『正法眼蔵随聞記』を読み終えるところまできました。ここまで継続できたことがありがたいです。初夏にはもう一度最初にもどって2巡目の購読が始まります。少しずつ変容しながらも、サンガが続いていることを実感します。

薪だけでなく、片づけなど作業の課題が山積みで終わりが見えませんが、あまりの量にげんなりしたときは「千里の道も一歩から」と自らに言い聞かせて進めています。果てしない道のりと思っても、歩き続ける限りいつか到達できるのです。

ラクティスの道も同じですが、こちらには終わりがなく、ある一定の地点まで来たときに初めて、これまでの距離を実感するものです。サンガのみなさんとそんな思いを共有しながら、少しずつ歩いていきたいと思います。

庭に咲いたこの花は、ロウバイ(蝋梅)かな

ありがとうUNDOアプリ

多くの方が利用されていたUNDOアプリが今月28日で配信終了と星覚さんからお知らせをいただきました。

higan.net


過日のオンライン坐禅会でChatGPTの話をしたばかりでもあり、いろいろなことを考えます。ITが今後どう発展し、世の中がどう変化していくのか。平和とは言えない昨今の世界情勢はどうなっていくのか。

ともあれ、UNDOアプリの存在はひとりで坐る人たちにバーチャルな坐友を提供してくれました。開発の方が、神楽坂CHAZENでの坐禅会に来てくださったことも思い出されます。善意の力で存在していたこのアプリに感謝を込めて。

永平寺の雲堂

雪、そして春のきざし

10日の雪は特に甲府や松本で多く降ったようで、こちらもこの冬いちばんの積雪となりました。ただ、立春もすぎて冷え込みがなく、翌日すでにだいぶ溶けました。それでも、20センチ以上積もったので雪かきは容易ではなく、また家の前は私道で除雪車が入らないため、きのうは4時間きょうは2時間せっせと雪かきに励みました。

毎日だったら話は別ですが、たまの雪かきは楽しいものです。かいた雪でできた山を見て雪像でもつくろうとルンルンしてきましたが、作業が思うように終わらず、遊んでる余裕はありませんでした。 

というのも、1月に薪にする原木を引っ張ったときに腰を痛めてしまい、溶けかかって重くなった雪を押していく力が制限されてしまうのです。だいぶよくなってはいるのですが、特定の姿勢や負荷がかかったときにまだ痛むので、パワーセーブモードでしか働けないのが歯痒いところです。


サンガの活動は順調で、オンラインで顔を合わせているせいか、空庵を訪れた人たちの顔を見てもぜんぜん久しぶりな感じがしません。もちろんリアルで会って話すことがいちばんですが、なぜオンラインを敬遠していたのだろうと以前の自分が可笑しく思われます。それぞれ事情があってCHAZENから離れていた人たちが、オンラインになったことで再び受講できるようにもなり、そういうプラスの面を考えていなかったことはうかつだったとも思っています。

特に、ヨーガ・スートラクラスは録画視聴による参加も可能なので、日程が合わない場合も聞き逃しなく受講でき、また復習や聞き逃したところの確認などもできるため、座学のハードルがぐっと下がったのは確かです。そう考えると、残念なのはお茶とおやつが出ないことくらいでしょうか。

初めての試みでスタートした原始仏典のクラスも好評で、この2月から本格開講し、スートラクラスと同様録画視聴の参加もできるようになりました。それぞれ月に一度ですが、その時間が参加されている方々の日々の励みになっているようです。

きのうは星覚さんによるオンライン坐禅会でした。こちらも、忙しいなか時間をさいてくださる星覚さんと熱心な参加者に支えられ、毎回充実した時間になっています。

こうして近況報告を書いてみると、静かな自然のなかで生活しながら、これまでのようなつながりも保てるとは、なんとありがたいことかと気づきました。薪は足りるか、薪を用意せねばと、一日いちにちを生き延びることに多くの労力を使う生活ですが、生きている実感と歓びもまた大きいです。

12月の寒波で東京から運び込んだ植物をことごとくダメにしてしまいましたが、スノードロップだけは雪をかぶってもなんのそので、かれんな花を咲かせています。春の訪れとともに私も負けずに新しい取り組みに着手していきます。

軽井沢の分校出身だけに寒冷地仕様

マンスリー近況報告

昨年10月に神楽坂のCHAZENをクローズして、南アルプスの麓に移住してから2カ月以上になります。

支えなしで立つのが困難になってきたシューを介護しながらの、新しいサンガへの移行と引っ越し、そのドタバタが続く中でのあまりにあっけないシューの旅立ち。そうこうしているうちにWi-Fiの不具合でオンラインクラスができなくなるというトラブルにも見舞われた11月でした。

12月は天龍寺の摂心から始まり、再びやる気を取り戻して戻ってきた翌日にインターネットが通じ、フル回転でキャッチアップに努め、なんとか落ち着いたのがこのお正月というありさま。年が明けて心機一転、今年は落ち着いて歩みを進めたいと思っています。

そんなドタバタの中でもオンラインクラスは予想以上にうまくいっており、マイソール、呼吸法、坐禅会、原始仏典およびヨーガ・スートラの購読会を行っています。マイソールはもちろんのこと、多くの方が楽しみにしていたヨーガ・スートラのクラスがオンラインになることに多少の危惧はありましたが、すでに出来上がっているクラスはオンラインでもそれなりになるようです。

この3連休には断食の会をオンラインと空庵ステイでのハイブリッドで実施しました。なにもない山の中の静かな環境は、断食など浄化のプログラムには最適であることを感じています。私自身こちらに来てから食生活の乱れがなく、心身のコンディションが好ましい状態に保たれています。

このブログでは、シューを愛してくださったみなさまに様子を伝えようと考えていたのですが、それがかなわなくなってしまいました。それで、今後は月命日である12日にCHAZENサンガや私の近況報告をいたします。

シューの遺影的な写真を飾る気がしないのですが、トリミングサロンで毎月撮ってもらっていたコスプレの写真は微笑ましいので、入れ替えで楽しんでおります。シュー亡きあとにこのアルバムで楽しめるなんて......。

今はそりに乗ったシューちゃん。

赤いマフラーがお似合いだね


何度か本物のそりに乗せてみたことがあるのですが、滑り出したとたん脱出してしまってダメでしたね。そんな思い出までよみがえり、一枚で何度も楽しめます。

シューに会いたいなあ、肉球の匂いを嗅ぎたいなあという「シュー着」が手放せない毎日ですが、実のところ、そのシュー着自体がいとおしく手放したくないのでした。

いのちから与えられるもの

早いもので、シューがお空に上ってからひと月が過ぎました。

仏教がそこにあったために短期間で苦しみから抜け出すことができ、その後福井の天龍寺で摂心にも参加し、おだやかな毎日を送っています。

失って初めてシューの存在の大きさを知ることになりました。CHAZENはすべてシューのおかげで成り立っていたと気づいたのです。

なんの意図も計らいもなく、ただそこにいるだけで人を和ませ、また励ましてもくれました。存在そのもので多くのことを教えてくれました。私が努力したことなどその足元にも及びません。

考えれば考えるほど、CHAZENをCHAZENたらしめたのは理事長の存在でした。

犬谷シュー平のナイスショット by O嬢


そして、私にとってシューは、天から与えられた最良のパートナーでした。もしかしたら神そのものだったかもしれません。

ケーキかぶりつき後のどろどろシュー


11月は引っ越しの混乱やら、シューの旅立ち、おまけにインターネットの不具合などいろいろありましたが、オンラインで継続しているCHAZENサンガからは、想像以上によい感触を得ております。

ところで、いつぞやの捨てる寸前に実がなっていることに気づき引き取ってもらったトマトは、M嬢にたくさんのプラーナを与えて元気にさせながら、自分自身もすくすくと育っているそうです。その写真が送られてくるのを毎回楽しみにしている私ですが、先日なんと色づいたとの報告をいただきました。

えー、12月なのに〜?!

青い実もたくさんついている


生ゴミから生まれた「生ゴミ太郎」、よくぞここまで育ってくれました。私の手を離れてもしっかりと大地に根差し、力強く生きている生命は、まるでCHAZEN生そのものです。

家族として、友だちとして、また食べ物として、私たちはみんな他のいのちからプラーナをもらい合って生きているのですね。

山の中でひとり暮らしていても、ひとりではない。たくさんのいのちに支えられて生きております。

シューちゃん雲になる

昨日の朝、思いがけなくも突然にシューちゃんがお空へ旅立ってしまいました。

2年前から毎年この冬は越せるかどうかと案じてきたので、もういつ逝ってもいいと思ってたのに、覚悟はできていると思っていたのに、実際は無理でした。

いつものようにスヤスヤ寝ているようにしか見えないシューがかわいくてかわいくて、もうどうしようもなくかわいくて。

つらくてつらくて、苦しくて苦しくて、のたうちまわるような痛みを味わってます。

できることなら私も一緒にお空に上って行きたい。


今朝はオンラインでマイソール生の最後の見守りをして、午後サンガのみなさんにオンラインで見送ってもらいました。

銀装束に愛用のピーターラビットの毛布、おやつを携えて出発


朝練に行く途中シューさんみたいな羊雲を見たとメールで報告してくれた人がいたのですが、別の練習生も朝練の帰りにシューちゃんの形をした雲が出ていたと写真を送ってくれました。

耳が後ろに流れているところとか、上の写真のまんま


東京でお空の雲になっていたとは......。最後まで練習生思いの理事長でした。

この雲を見たら、なんだか少し元気になりました。

シューを愛してくれたみなさま、どうもありがとうございます。

嵐のように

10月30日日曜日は、2012年にスタートしたCHAZENのアシュタンガヨガ・マイソールクラスに一区切りがついた日でした。

さすがに最終日とあっては欠席者もなく、久しぶりの人も駆けつけてくれてマイソールは大賑わい。それでもまだ前半組の人たちには最後に二言三言挨拶の言葉を交わす余裕もあったのですが、後半からスートラクラスにかけてはもはや修羅場。マイソールが終わるやいなや更衣室のカーテンやら何やらを外して......みたいな。

というのも、スートラクラスが終わったら残った荷物を車に積み込んで「ほな、さいなら」と出発したから。多くの人はこの設定自体に目を丸くしていましたが、これが私の流儀なのです。ゆっくり片付けてもう一晩泊まったら、翌朝やっぱりマイソールをやらないと気が済まないタチなんで、当日すべてを終わらせる段取り。

ガランとしたキッチンに理事長室を置いて、最後の監督業務。玄関に飾ってあった犬谷シュー平のユニフォームを着てもらいました。

 
この位置から見守るのは最初で最後


スートラクラスは2章から新しく始める人たちも参加して、これまた大賑わい。これまた最後の日というよりは始まりの日として、伝えたいことをいつものちゃみこ節で語り、いつものようにスカッと終わりました。

多くの人がCHAZENと出会えてよかったという感想を述べて、これからのCHAZENに希望をつなぐようなコメントをされていたのが印象的です。

いつも時間オーバーで、それも30分以上の超過が当たり前のスートラクラスが、時間通りに終わったのもこれが最初で最後です。もはや個別の挨拶などなしで私は車を取りに行き、残った人たちが荷物を下ろすという連携プレーの始まりです。載らないんじゃね?という量の荷物をなんとか押し込んで、じゃあねと手を振って、無事東京を後にしました。

まさに嵐のようです。
センチメンタルにもならず、しみじみとする余裕もなく。

いいんです。
だって、終わりではなく始まりなんですから。

前日くらいから私の頭の中にはずっと藤井風の「帰ろう」がリフレイン。さわやかな風とともに去って、でもそこから始まるというこのシナリオは、自分が考えていた以上にすがすがしく気持ちのよいものでした。とはいえ、シナリオどおりに進んだのは、CHAZEN生のつながりの堅固さあってのこと。その絶対的な安心感なしには、このようなすがすがしい気持ちにはなれなかったことでしょう。後ろ髪引かれるような思いはゼロでした。

お山に向かって車を走らせながら、なんだか生前葬をしてもらったような気持ちになりました。このままあの世に行ったら思い残すことがないいい最後だなとか考えながら。

一難去ってまた一難。お山に着いたら着いたでまた嵐の始まりですが、1日からは新しい自主練マイソール部隊の練習も始まり、オンラインでそれを見ていたら、感じたのはやっぱり絶対的な信頼でした。我がことながらすごいチームが出来上がったものです。

ということで、新しいCHAZENサンガが好発進しています。

これまでの10年間にかかわりのあったみなさま、このブログを読んでくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。このブログはたまに更新するつもりでおりますので、思い出したときに見にいらしてください。10月いっぱいで閉じる予定だったウェブサイトは、なんとまだ契約が1年以上残っていたことに気づきトップページのみ残してあります。

ただし、URLは変わっているので(というか元に戻った)こちらからどうぞ。

chazenyoga.com


チームCHAZENは、最高に最強で、永遠に不滅です。

カープじゃなくてCHAZENのCですよ