あの、炎天下の草取りからひと月半。
田んぼは実りの時を迎えていました。
稲は自ら大きくなったわけですが、いよいよ成長した姿を見ると実に感慨深いものです。
よくぞ無事育ってくれたと。
まずは全員の共同作業で稲をかける"オダ"を作ります。
このオダ、どういう字なのか調べてみたのですが不明。千葉特有の呼称だそうで、一般にはハザがけと言われる天日干しをするための、言うなれば稲のハンガーラックです。
その後、稲刈りのレクチャーを受けてから、作業開始。
今回のCHAZEN部隊は5人。カマで稲を刈る人、それを束ねて"オダ"にかける人と交代で作業。
残暑の厳しい日でしたが、チームワークでどんどん進みます。
全部収穫して、お日様のもとで乾燥させます。現代の農家さんは機械で刈り入れてそのまま乾燥機にかけるのだそうですが、ここではもちろん原始的な方法で行います。これで栄養が行き渡りおいしくなるのだそうです。
今年は多くの地域で大雨、台風、地震が続き、育てていた作物がダメになって嘆く人がどれだけいるかわかりません。そのときの落胆がほんの少しだけですが実感としてわかるようになりました。作物は自分の子どもみたいなものなんですよね。いとおしいのです。
稲を刈ったあとの田んぼをひとめぐりして、落ちている稲穂を拾いました。ミレーの「落ち穂拾い」の意味が初めてわかった瞬間です。一粒も無駄にはしたくないですから。
恥ずかしながらこのトシになるまで、こういう大事な経験をしてきませんでした。こんなおままごと的なお米作りでも、多くのことが学べるものです。みんながみんな経験したらいいのにと思いました。兵役義務の代わりに最低一年の米作り義務とかね。
次回の脱穀まで嵐が来ないことを祈ります。
ついでに言えば、この「祈り」の必要性から宗教が生まれ、自然に即して生きる中から神頼みの文化が生まれるのだなあということもよくわかりました。
さてさて、どんなお米になるのやら。