成道会と食べる禅の会
先月いただいた刺し子のパッチワーク、参加者の名前リストに「星覚」の文字を見つけたときは、のけぞって笑った。この夏は星覚さんとは一度坐禅会をやっていただいたきり会えずじまいだったのだが、快く縫ってくださったばかりか、自ら届けにきてくださったそうだ。
星覚さんだけほかのパターンと違うオリジナルで存在感大なり。なにかと手の込んだ仕込みに恐れ入る。
12月8日の星覚さんワークショップは、CHAZENのお米をいただき、お釈迦さまについてのお話を聞く会になりました。たまたまその日は成道会。成道会というのはお釈迦さまが菩提樹の下に坐ってから8日目に明けの明星を見て悟りを開いたことにちなんだ記念日です。永平寺や天龍寺などの修行道場では8日間坐り続ける臘八摂心が行われます。摂心の中でも特に厳しいと言われていて、永平寺の僧堂の寒さを思うと想像しただけで震えてきそうです。
星覚さんが永平寺で修行しているときのエピソードに、この臘八摂心が終わった夜中の1時ごろ、自分の部署に戻ってきたら、そこの老師(上司にあたる)がサッポロ一番味噌ラーメンを作って待っていてくれたというものがあります。ラーメンはのびてしまっていたけど、サッポロどころか世界で一番おいしかったという、この話が私はなんか好きなのです。
凍てつく12月の厳しい摂心と、老師のあたたかい気持ち。そしてサッポロ一番味噌ラーメンというところ。精進料理でもなく、カップヌードルでもなく、サッポロ一番というところに、すべてが表現されるのです。情景や人柄が立ち上ってくるのです。この時期、この話を思い出すと、無性にサッポロ一番が食べたくなります。
もちろん、当日星覚さんにしていただくのはサッポロ一番の話ではなく、ガチなお釈迦さまの話です。知っている方も多いかとは思いますが、星覚さんがどんな形でお話してくださるか楽しみです。
そして、当日いただくのもサッポロ一番ではなく、CHAZENのお米で炊いたお粥です。お作法は略式で行いますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ。
お粥にはお餅を入れますよ。
これも修行時代のささやかなヨロコビとして聞いたのですが、お餅が入っているとアガルのだそうです。