CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

「イヤ」を引き受ける

スートラクラスの開講にあたっては感染への配慮から、口角泡を飛ばしながらの熱弁を避けて、チャンティングも最小限にして、瞑想を長めにしてみたのだが、みなさんほとんど気にしている気配がない......(気にするなら来ないか)。内容的にもインド哲学について深く掘り下げるようなことは避けて、日常生活にインド哲学が生かせるような話をしてみた。

某丈が波動が伝わるというなかなかすてきな話をしてくれたので、24時間プラクティスの宿題としては、イラッとしてしまうシチュエーションでサットヴァな波動をまとったら、相手やその場がどうなるか実験をしてきてもらうことになった。来月の報告が楽しみだ。

そしてもうひとつの実験として、イヤなことを避けないでむしろ進んで引き受けてみるということも推奨しておいた。

これらは「イヤなことをイヤでないことに変える魔法」だと思っている。
と言ってもラジャスやタマスと仲良くするという意味ではない。たとえば噂話の輪に入るような「イヤ」とか、危険が及ぶような「イヤ」は避けるべきだ。そうではなくて、誰かがやらなくてはいけないけど誰もやりたがらないような仕事とか、苦手な人とか、そんなこと。とき偽善ではなく進んでそれを引き受けると「イヤ」という意識自体が変わる。

サットヴァになりきるということは「サットヴァのフリをする」ことではない。清らかであたたかな、光り輝く観音様のような心で引き受けることだ。難しければ「サットヴァもどき」でもいいけれど、表面だけサットヴァのフリをすると逆効果になることもある。大事なのは心からそういう気持ちを引き出すこと。

そして、もちろん見返りを期待してはいけない。結果を期待するとたちまちラジャス成分が強くなってこれも逆効果になるおそれがある。


COVID-19のことも同じく「忌々しい」「早く収束してくれ」というふうに考えずに、この先長く付き合っていく覚悟を決めた方がいい。起きてしまった災害などと違って今回はいつが最悪の時かわからないのだ。誰もが短期間で元どおりの生活になることを望んでいるけれど、リスクが最小になったとしても、この先しばらくは細心の注意を払っていかなければいけないのだから、この状況を引き受けて、今できるだけのことをしたほうが、心は静かでいられる。

わかっているけど、できないって?


しからば、プラクティスを....。

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毎度おなじみ「毎日やるのがアシュタンガ」