CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

気を動かす

今日のスートラクラスは、チャンティング強化プログラム。
5月の臨時休校中にやったオンラインクラスでみんな四苦八苦しているのが見て取れた。

本気でやるには時間がかかりすぎるので、いつもはさらっと流すだけなのだけど、やる気のある人も増えてきたし、ここらでちゃんとやってみようか。

私がインドで習ったようなやり方は、言うならば、いきなり海に投げ込んで「さあ泳げ」てきな方式なんだよね。だから、最初に泳ぎ方をレクチャーして、最初から上手には泳げないけど一緒に手足を動かしてみようよ方式を試してみようと思ったわけ。

で、発音の仕方や単語の切れ目などを解説し、一緒に唱えてみたらけっこうイケるじゃないですか。絶望的についていけない感じから、光が差し込んできたくらいにはなったと思う。

たとえうまく唱えられなくても、総じて今日のチャンティングは楽しかったらしい。
サンスクリットの音の響きだけで精神的に落ち着くというのもあるし、難しい哲学の話を聞くよりも自分の身体を使って「行う」プラクティスだから、アーサナの練習と同じような気持ちよさを感じるのかもしれない。

そういえば......
漢方の先生が言っていたのだけど、しゃべることは「気を動かす」効果があるのだそうだ。確かに、気分がどんよりしているときなど、誰かと楽しく語り合うとすっきりして、どんよりした心がほがらかになることがよくある。物理的にも、話すと気(呼吸)が動くし、よどんでいたもの、つかえていたものが流れるようになるのだろう。

チャンティング(詠唱)はしゃべる以上に声を出すし、内容的に浄化作用があるので、空気清浄機みたいに体内の気を入れ替えるのかもしれない。梅雨の時期、ジメジメしているときは体内の気や水が停滞しがちだから、今月がチャンティング月間だったのは理にかなってもいた。


そういえば......その2
参加者の感想を聞いているうちに思い出したことがある。

その昔、駆け出しヨガインストラクターだった私は、マントラの音に惹かれ、マントラを指導してくれた日本人の先生(インドに留学されていた経験あり)に「私もマントラを教えたいんだけど、どしたらいいっぺか?」と聞いてみたことがある。そうしたら、まずサンスクリット語を勉強するところから始めて最低5年は必要とのことだった。

今思えば当たり前だけど、っていうか、そんなこと質問すること自体がわかっとらんかったのだけど、そのときの私にはその5年が気が遠くなるほど先の話に思えた。ところが実際には5年なんてとんでもない。ときどきインドに行きながら独自に学び続けて10年以上はかかったさ。

近くマントラとチャンティングのワークショップを企画しよう。
などと考えながら、3時半ごろシューをカートに乗せて図書館に行こうと外へ出たら、なんだか雲行きがあやしい。傘は持って出なかったけど、どっちにしろ降ったら傘が役に立たないような土砂降りだろうとみた。さて引き返すべきか?

直感として、なんとか行って帰って来られるように思えた。
が、急がないと無理だ。ってことで競歩なみのスピードでカート押して歩く。そのうち雷というアラームが鳴り始めて、わが身の衰えを痛感しつつ小走りになったり、追い抜いていく人にドン引かれながらも大走りになったりしてなんとか無事往復した。間に合ったと家の中に入ったそのとき、とんでもなく大粒の雨が落ちてきてバケツひっくり返したような降り。

よし、1ミリも濡れなかったぞ。お金とか数字の計算は苦手なのに、こういう計算はけっこういける。

思わぬエクササイズで汗をかき、これまた気が動いた。
肉体は疲れたけれど、気分は雨上がりの夕焼けのように爽快なり。

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水が心をうるおす