CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

多夢にも漢方

理事長がご老体になられてから、私の夢見が激しくなった。夢か現かわからないようなリアルな夢から、映画とかテレビ番組的な妄想夢まで多彩な夢を見る。

たとえば、しばらく前にハマっていたドラマ「三国志」に出演していた俳優さんたちが、リゾートに集結して三国志について語るという企画とかね。海上に浮かんだ船の中で水着に近いリゾートウェアに身を包んでいるのに、それぞれがどこか漢の時代の登場人物を彷彿させていて感心している夢。

こういう妄想は自分を楽しませてくれるものであると同時に、苦しめる元凶でもある。修行が十分になされているときは、妄想が減って穏やかに過ごすことができるのだから。

あるいは、犬に寝床を占領されて不自然な姿勢で寝ているために、へんてこりんな夢を見ることも。

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夢の中でサンスクリットと闘っていたり、漢方方剤を探していたり。そういえば多夢というのは不眠の一種で、血(けつ)の不足すなわち血虚の症状だ。それに、犬の病気やらコロナやら何やらで、常に考えすぎているこのごろ。

先日、朝ぞうきんがけでしゃがんだら動悸がしてきた。

これは漢方で勉強した心血虚ではないか?

思慮が多すぎると、心(しん)の血を消耗する。さらに、新年に向けてWebサイトをリニューアルする作業を続けているので、最近はずっとモニターを凝視して目を酷使しているから、なおさら血が不足するのかもしれない。

そんな昨夜、脚がつってなかなか治らなかった。こむらがえりもまた血虚を示すもので、これはいよいよ揃ってしまったようだ。


そうだ、あの煎じ薬!

今朝、坐禅をしているときに閃いた(実は坐るといろいろが下りてくる)。漢方薬を試し飲みするならやっぱり煎じ薬と、いくつか取り寄せておいた中に血虚に効く方剤があるのを思い出したのだ。

漢方薬は自分の証に合っているとおいしく感じられるというのは知っていたが、漢方薬を飲むのをやめるとき、つまり症状が改善されてもう必要でなくなると、今までおいしく感じられていたものが飲みにくくなってくるという。そして、いくら証に合っている漢方薬でも、もしどうしても飲めないなら別の薬に変えたほうがいいのだそう。

こういうところが、めっちゃ面白い漢方の世界。味で決まるなんて、ふつうの薬ではありえない。だから、エキスの錠剤なんかではなく、ちゃんと煎じ薬でお味見してみようと思ったわけさね。

で、コトコトと小一時間煎じて飲んでみたら、うん、けっこうおいしく飲める。心血虚ズバリの薬ではないのだけど、わりと私には合う方剤なのかもしれない。そしてこのお薬は、がん研有明病院の先生が多くのがん患者に処方すると書いておられたので、シューさんにもちょこっと飲ませてみた。

さすが漢方ドッグ。
躊躇せずおいしそうに飲み干した。ちなみに、ガンに効くというなんちゃら茶(お高いやつ)をあげたらソッポを向いて一口も飲まなかった。コーヒーや紅茶もミルクが入っていない限り飲まないのに、濃くてそれなりに苦味のある煎じ薬はよろこんでペロペロするとは......。

ところで、先日シューさんがお腹こわした日の前後は私も体調がすぐれなかった。食欲があまりなく、頭痛がひどく、かぜという感じでもなかったけれど、葛根湯証とみて飲んだら頭痛はとれたが、どことなく不調ではあった。

それが、きょうは朝からやたらお腹が空いて、ここには書けないくらいたくさん食べているのにまたお腹が空く。

なんかおかしい......と思ってから気がついた。あれは血だけでなく、気を補うお薬ではないか。消化機能を高めて食欲不振を改善し、気力を与える効果の高い方剤ゆえ、お調子者が飲むとさらに調子に乗ってしまうのではないか。あぶないあぶない。次は夏の弱りきっているときに試してみよう。

漢方薬の多くには、脾胃の機能を高める生薬が含まれている。
食べたものを栄養として全身に届ける機能が衰えると、あらゆる臓腑に影響するからだ。ちゃんと食べて、ちゃんと消化できていれば元気でいられる。シュー理事長を見れば一目瞭然だ。

見た目からは感じられないけれど、シューさんの内に秘めたる生物としてのパワーがすごい。漢方は、そのパワーをどんどん引き出してくれるように思える。そして私はさらに漢方にハマり、考えすぎたり目を使いすぎたりして血が足りなくなるという......。


窓辺にたたずみ、過ぎ去りし日に思いを馳せる......

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......ことのない、天然グルでした