本日、久方ぶりのアーサナワークショップでした。ヨガポーズのワークショップもたまにやる分には新鮮でいいものです。
ふだんの練習ではあまりポーズのことを事細かく説明しないようにしているので、年に一度くらいはファンダメンタルな原理をお話しする機会をつくるようにしています。それが、毎日の練習の励みになり、またポーズへの方向性が明確になり、ひいてはヨガへの理解を深めるように思います。
しかし、ポーズのことを説明していても、ついつい印哲風味を出してしまう私なのでした。結局言ってることはスートラクラスでもギータークラスでも、バックベンドクラスでも一緒やん、ていう話です。考えてみれば、すべて目指すところが同じなのだから当然なのですが、一般のヨガスタジオでは通じないかもしれません(というかクレームが入る)。
毎日練習するのは、意識を無意識に昇華させることに尽きます。
つまり、頭で考えて行っていることが身体に刻まれて自動化するまでおやりなさいということなのです。ワークショップで伝えたことは、最初は意識しないとできないし、意識しなかったらそのうち忘れてしまうでしょうが、それを繰り返しているうちに、意識しなくてもオートでできるようになるのです。だから「毎日やるのが......」なのです(もう耳タコですね)。
そして、そこまで身体に落とし込まれたら、日常においてもさまざまな判断が自動で行われ、瞬時に適切な行動ができるようになる。それがいわゆる直観というものかと思います。
さて、予定通り(?)に時間をオーバーしてワークショップが終わるころ、某嬢がこんなことを言いました。
つい(ポーズが)できないって思ってしまうけれど、この年齢でこんなこと(ドロップバック)していると思うと、それだけですごいなあと思います。「中高年の星」だなって。
それを聞いて思わず「おっもっい〜こんだーら♪」と歌った私に、某嬢がまた言いました。
先生、星飛雄馬が坐禅して大リーグボールが生まれたの知ってます?
知らなかったです。
なんでも、飛雄馬が坐禅したときに何度も警策で打たれた。そのとき住職が「打たれまい打たれまいとするから、打たれるのだ。むしろ打たれに行くつもりでいなさい」と言ったそうなのです。
イエース!
かつて、ドロップバックがこわくて仕方のなかった某丈に「死んでもいいと思って!」と言っていたのはソレなのです。ふつうはそこまで強い言葉は使いませんが、まだ落ちたこともないのに、しかも絶対落とさないベルトを使ってサポートしているのに、こわくて途中でやめてしまうというのは妄想が過ぎるので強く言ったのです。
ただ、たまたままだマイソールを始めて間もない某嬢が隣でシャヴァーサナしていて、いつかは自分もそんな目に遭うのかと震えながら聞いていたそうで、すっかり伝説のちゃみこ語録になってしまいました。
ほかにも頭から落ちたことのある人はそれがトラウマになりがちですが、こわくないと思えば思うほどこわさに執着してしまうので、呼吸を深くしてそこに意識を集中したり、今日のワークショップで伝授した身体の使い方に意識を傾けるようにしてみてください。
こわいと思っているときはまずケガはしないものです。それよりも慢心、油断があるときが危ない。私の経験上、特に家で一人で練習していると、緊張感に欠けたり、ちょっと無理をしがちなので、気を引き締めて練習するよう心がけています。
あとで、飛雄馬の坐禅が気になったのでググってみたら、そのシーンの漫画のコマが出てきました。ほう、なるほど。それから、円覚寺の横田南嶺老師のブログがヒットしました。
ちょうど昨晩『不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧』という本を読んでいて、コロナで坐禅会ができなくなってから横田老師が配信しているYouTubeを聞いてみようと思っていたところなのですが、そのYouTubeの対談でこの話をされていたのです。(9' 00"ごろから)
鎌倉の禅は臨済宗なので、ふだんはあまりアンテナを向けていないのですが、このところ鎌倉に行きたいと思っていて(お寺ではなく)本を読む前から横田老師のことを考えていたので、こんな風につながったことに袖擦り合うご縁を感じた次第です。
それにしても、この本の中で緊急事態宣言で坐禅会がなくなり、「坐禅会は『不要不急』だったのだ」と愕然としたと複数のお坊さんが書いておられます。そんな偉いお坊さんの坐禅会が不要不急なのに、「プラクティスは『不要不急』ではない」と平気で続けているCHAZENがちょっとおかしかったです。まあ、円覚寺ともなればわんさか人が集まってくるので、『不要不急』ではないけれど、開催は難しいでしょう。
いずれ時がきたら、円覚寺にも参禅してみようと思いました。
ともあれ、ふだん沈黙の中で練習しているだけに、終始笑いながら、やいのやいの言いながらのワークショップは楽しい時間でした。これからの練習がより一層充実しますように。

そして、星といえば26日の「星の随聞記購読会」もお忘れなく。星覚さんにもこの話を振ってみようかな......。