CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

春爛漫の山暮らし

3月に入ってから暖かい日が続いて、4月まで寒いのを想定していたのでやや拍子抜けです。とはいえ、特に朝晩は平地よりずっと寒く、3月に厚着のまま東京に行って「いかにも地方から来た人」の気分を味わいました。

東京では、マイソール、そして呼吸とアーサナのワークショップを行ったのですが、ひさびさなので、なんだか「初めてのヨガクラス」に行くようにドキドキしました。CHAZENの外でCHAZENの人たちの練習を見るのも新鮮でした。知らない人は誰一人いないし、やってること、言ってることはいつもと同じなんですけどね。

こうしてリアルで集合するのはいいものです。終わったあとにみんなでランチに行くのも、なんだかCHAZENの初期のころを思わせるなつかしさで、いろいろが目新しく楽しい一日でした。

東京は桜が咲いていましたが、こちらの桜も3月中に満開になり、ご近所に桜の名所がたくさんあるので、自転車のトレーニングをかねてあちこちお花見に行きました。有名なところは降って湧いたように人が押し寄せていましたが、そうでないところは静かで、お花見会場独り占めでした。人口に対してダントツに花が多い印象です。

こんな広いところに私ひとりって......


今はソメイヨシノが終わり、先日は東京から来たサンガのゲストと一緒に枝垂れ桜を堪能しました。もう桜も終わりかと思いきや、今度は家のまわりの山桜が満開になっています。と同時に木々が一気に芽吹いてきて、「だるまさんがころんだ」的に枯れ野から新緑へと変化していくさまに目をみはるばかりです。冬の厳しさがあるからこその春爛漫。古来より、それが人々の慰めやら励ましになっていたのでしょうね。この先都会に住むことは考えられません。

などと言っているうちに今度は虫も活発化してきたので、今のうちにと庭の開拓に精を出しています。ほんの小さな庭ですが、しばらく放置されていて、昨年は足を踏み入れることすらできませんでした。因果なもので、軽井沢でも最初は庭がジャングルでした。それに比べたらかわいいものですが、狭くてもジャングルはたいへんです。夢中になって没頭するので、ちょっとした瞑想タイムにはなりますが。

シューがお空に行ってから5カ月がすぎ、もはやシューのお世話をしない日常が当たり前になりましたが、ときどき話しかけては寂しさが込み上げます。それでも、目の前のやるべきことが多すぎて昔の写真を見てなつかしんだりする余裕がなく、無駄に感傷にふけることがないのは幸いです。たぶん、いちばんの薬は忙しくしていることなのだろうと思います。

最近よく思うのは、人生で何を選択しても結果は同じなのではないかということです。よかれと思って選択したのにうまくいかなかったり、成り行きでそうなったけれど思いの外長続きしたり......。どんなカードを引いても、それを大事にしてなかよくしていけばいいだけなのかもしれないと。時は移ろい、世の中も大きく変わってきています。その波に乗れずにいる自分を感じながら、ゆっくり回向返照の退歩を進めたいと思います。

ともあれ、サンガの活動は地道に堅調に続いております。理事長の許可が下りずに長いこと実施できなかった禅の旅も復活に向けて調整中で、これまでになく濃い禅の旅が実現しそうな気配です。

近所のピザ屋のヤギさん。攻めの食いっぷりが理事長を思い出させる