僧堂修行中、おいしいものを食べたいとか、ゆっくり寝たいとか、制限された生活で湧き起こる願望はほとんどなかった。足りないものは、ほぼなかった。なければないように生きていけることがよくわかった。
そんな私が唯一、修行を終えたらかなえたいと思ったのが、一日じゅう机の前に座って、興味の向くまま書物を広げて探究することだった。すなわち道元禅師の書かれた「正法眼蔵」であり、原始仏教の経典群、大乗経典群であり、インド哲学にかんするあれやこれやである。
いま、その願いがかなって、オンライン講座の資料づくりも含め、毎日朝から晩まで本を広げていられることが、とてもありがたく幸せだ。難しい内容に脳が機能しなくなったり、サンスクリットの解読(読解ではなく)に喘いだりしているけれど、それも含めてすべてがおもしろくて、どんどん深みにはまりつつある。
あっちにもこっちにも手を出して、いくつものプロジェクトに同時並行で取り組んでいるのだけれど、どれもまったく飽きないのは、知らないことが多すぎて、何かがわかるたびにもっと知りたくなるからだろう。ひとつ課題をクリアしたらまた次の課題が出てくるアシュタンガのアーサナ練習に似ているかもしれない。
旧ブログに書いた茂木健一郎著『脳を生かす勉強法』からの引用を思い出した。
自分に負荷をかけて難しい課題にチャレンジする。それが成功した時に、脳が喜ぶ。強化学習のメカニズムで、シナプス結合が大きく変化する。つまり、それ以前の自分とは違う自分に生まれ変わることです。
オンラインクラスを再開して、今まさにこういう状態になっているのが、CHAZEN外から座学に参加し始めて2〜3年という人たち。ちょっと前まで「わからない〜」と悶えていた人たちには、いま座学ブームが到来しているみたいだ。そして、何度も座学クラスに挑戦してはそのたびに途中で挫折していた人も、わかってきたらもう、やめられない、とまらない。
古くからの参加者など、もうドーパミンを出しまくって殿堂入りしている。みんなみんな、強力なシナプスができてしまったのだ。
ふふふ。ちゃみこさんの思うツボだ。
わからなさを乗り越えて、続けた人だけに与えられるこのシステム(坐禅には通用しないけど)。初めての人にも、わかってきた人にも、このドーパミン放出体験(アハ体験)をしてもらいたいと思い、以下のとおりZoomによる単発のオンライン講座を行います。
2月24日(祝・月)11時〜12時
「禅・仏マインドで日常を生きる」
受講料 ¥1,000
- テキスト不要、仏教やインド哲学、ヨガにかんする知識はまったく不要デス
- 初学者にピッタリな、でもツウの人にも楽しんでもらえマス
- 録画配信もありマス
お問い合わせ・お申し込みは samgha7676@gmail.com までどうぞ。
昨年の今ごろは、修行に上がってあまりの寒さに凍死寸前だったのに、今はあたたかい鎌倉でぬくぬく。何よりありがたいのが、冬でも余裕で早朝にアシュタンガの練習ができること。
