なんなん三昧

旧「CHAZEN三昧」からタイトル変えました

ひとり禅の旅

引越しも終えてひと段落......と思ったのも束の間、第3の引越しなどでまたもやワタワタしておりました。出家して所有物が少なくなるかと思いきや、逆に僧侶の衣装や修行に必要だったものが大量に増えまして、福井の天龍寺にも坐蒲や衣類など置いてあったのです。しかも、荷物を取りに行くだけでなく、せっかく福井まで行くのだからと目的を3つ4つまとめたものですから、またやることが山積みになるという、まあいつものパターンです。

激安の商用バンを借りて福井まで運転していきました。得度する前、師匠と一緒に修行先のお寺を見学のため福井〜岡山を日帰りで往復して800キロ走ったことを考えると、福井までの片道500キロは大したことないと思えます。そして、東名・新東名を使って天龍寺に行くのはとても久しぶりで、なんだか禅の旅みたいだと楽しくなりました。激安の商用バンですから、ナビはついていません。ラジオもなくて、GoogleマップをナビにYouTubeで音楽を流していたのですが、スマホがあれば何もついてなくても問題ないことを実感しました。

無事天龍寺に着いて、いつもどおりあたたかく迎えていただきましたが、そのとき、特別なことをする代わりにただあたたかく迎えるということは、簡単そうで難しいことなのではないかと感じました。いつでもただ受け入れてくださるというのは、実に有難いことなのだと思います。

また永平寺天龍寺にみなさまをお連れしたいものです。ひとりで運転してこられるのだったら、覚水さんバージョンの禅の旅も可能ではないかと「新・禅の旅」を企画しようと思っています。10人乗りワゴンというわけにはいかないでしょうが、4〜5人くらいで。そのうち(どのうち?)ご案内ができるかもしれません。

さて、目的をいくつも設定した今回の旅ですが、私的にメインだったのが、同じ福井県ながら永平寺町からはだいぶ遠く離れたお寺に講義を聴きに行くことでした。講義をされた老師には以前天龍寺でお目にかかったことがあり、その仏教者としての言動にハートを鷲掴みにされたのでした。いつかまた教えを受けたいと思いつつもシューさん的事情で長年お預けになっていましたが、鎌倉に仮住まいしてからまた不思議なご縁がつながり、諸先輩方のお力添えにより、ついに念願がかなったというわけです。

印哲関連でも他のことでも、この人に教わりたい!という先生に出会う機会はそれほど多くありません。毎月福井に通うことも現実的ではないので、今回の受講が実りあるものになるよう冬の間に猛勉強をして臨みました。せっかくだからとまた欲をかいて、漢文だけでなくサンスクリット語からもアプローチしたので時間はかかり難航しましたが、おかげで講義はとてもよく理解できました。そして、これがよい刺激となって意欲が高まり、さらなる勉強に取りかかろうと思っています。

これはきっと、ギーターのおもしろさがわかりはじめたり、スートラ難しくて何言ってるかわからん、けど楽しい!となっている「なんなん」のオンラインクラス受講生と同じ気分なのだと思います。というのも、ヨーガ・スートラクラスは今ちょうど印哲風味満載の最大級に難しいパートにさしかかっているのですが、参加者のコメントがまさに↑のようになっているのです(みんなドM)。

シャバに下りてきてから、風に吹かれるままに道を決めようと思っていましたが、どうやら最近どっちに風が向いているのかがわかりかけてきました。最初は風向きがわからずただ動き回るしかなかったので、あるべき(と自分で描いた)姿と現実との乖離にジレンマを感じていたのですが、風向きがわかったことでそれに合わせて歩けるようになり、今とても楽なのです。帰る家もありますしね。

そんなこんなで今月は坐禅会等お休みさせていただきましたが、来月は6日に文京シビックセンター坐禅会、そして17日にマイソール浦安でワークショップの予定です。来月以降のオンラインクラスを含めて、今週中にご案内の予定です。だいぶ遅れましたがもう少しお待ちください。

どこを通っても桜が満開でした。意外にも天龍寺で桜を見たのが初めてで、とても新鮮。例年だったら、とっくに葉桜になっているでしょうから、それもこれもすべて上出来なひとり禅の旅でした。

天龍寺近くの公園にて