なんなん三昧

旧「CHAZEN三昧」からタイトル変えました

師匠のこと、ボーズ頭のこと

このところ、毎回カミソリ負けで頭がヒリヒリしているので、何か対策を考えようとGoogle先生に聞いてみたところ、いちばん上に出てきたのが師匠のブログ記事でウケました。まるで師匠に問い合わせたみたいなんですもの。

unsui.net


はい、この「雲水喫茶」のマスターが我が師匠の星覚さんです。かつてベルリンに在住されていたときは帰国時に、そして日本に戻られてからは上京のおりに必ずCHAZENで禅指導をしていただいていました。禅の旅のほかにも、CHAZENに泊まり込んでプチ摂心会をしたこともあります。そういった浅からぬご縁があっての、この私のボーズ頭なのです。

寺院の子息であればたいていは実父が師匠となりますが、私のように寺院関係でない人の場合は、得度するにあたってまず師匠を探す必要があります。師匠は教えを授けるだけでなく、弟子の身元引受人になります。つまり、父親代わりなんですね。ですから、親族の連絡先など一切問われません。問われるのはただ師匠なのです。そのようにして、師匠の師匠、そのまた師匠......と系譜を遡ると、道元禅師や達磨大師を経て、お釈迦さまに至るというわけです。

肉体年齢は私よりもかなり若い「お父さん」ですが、この師匠の存在なくしては、この私のボーズ頭もなかったわけです。世の中に優れた禅僧は数えきれないほど存在(存命)していますが、この「はみ出し系の珍獣」に最適な師匠を仏より賜ったとしか思えません。この上なき平和主義者であり「毛並みのよすぎるはみ出し系」である師匠であるからこそ、私は広い野山をノーリードで走ることができるわけです。

話を毛髪に戻します。
実はワタクシ、生前は「濃い毛」のお悩みがありまして、ド健康&まっすぐな髪がフツーの人の5割増かつ猛スピードで生えてくるのです。長くなってもまとめ髪ができません。重すぎて、まっすぐすぎて、ずり落ちてきてしまうのです。ドライヤーの時間もそうとうかかっていました。

バレッタを弾いて破壊するほどの毛髪力......2023年


得度して、そのお悩みは消えましたが、今度は別のお悩みが出てきました。これぞ一切皆苦、四苦八苦です。濃い毛だと剃髪もたいへんなのです。時間がかかるのです。僧堂では二人組で互いの髪を剃る(浄髪といいます)のですが、誰も私とペアになりたがりません。特に欧米人はジャパニーズの濃い黒髪にドン引きです。そういえば、髪がかなり後退していた男性はあっというまに浄髪を終えてましたね。

そんなですから、剃っても剃ってもツルツルにならないので、あらゆる方向からカミソリを滑らせてなんとか整えるためにカミソリ負けしてしまうのだと思います。ということで、結論として、アバウトに剃ることにしました。今は法要にも出ないので、光沢がでるほどきれいに剃る必要もありません。そうしたら、かなり改善されました。

それに、濃い毛のひとが剃髪するのは自然の理に反しているとつくづく思います。髪は頭を守るヘルメットの役割もしていますので、お坊さんはよほど気をつけなければ危ない。先日測った身長が1ミリ縮んでいたのも髪の毛分だと思われます。

インドの人はほとんどが濃い毛だと思うので、ジレットとかない時代はどうしていたのでしょうか。ちなみに、なんなん庵のご本尊ほか多くの仏像は髪を結っていらっしゃいます。

こちらはご本尊さんのホンモノ


まあ、たかが髪の毛です。あってもなくてもどちらでもよいですね(負け惜しみ)。

そういえば、先日鎌倉で通りすがりにみかけたのは、濃い毛の先輩でした。全身ですからねー。これから暑いでしょうね。

わんわんバーバーの店番してる