生まれ変わってようやく1歳半になろうとしている私ではありますが、中古のまま使い続けている身体のほうはだいぶ古びてきております。ヨガーサナのおかげで中古としても状態は悪くはないほうだと思いますが、どうあがいても「新品同様」とはいきません。
そんなこんなで思うところあり、健診を受けたところ、意外にも全部基準値内の健康体でした。今後は定期的に数値も測ってチェックしたほうがよさそうです。
これまで避けていた健診を受けようという心境になったのは、僧堂修行をしている間に激ヤセしたからです。
ちょうど去年の今時分だったでしょうか。僧堂の浴室には鏡がなかったのですが、ある日よそのお寺に泊まって風呂上がりに鏡に映った自分を見て衝撃を受けました。そこには死期の近い病人のように痩せ細った身体が映っていたからです。体重を測ってなかったので何キロ痩せたのかわかりませんが、二度と見たくないような恐ろしい姿でした。
心身ともに病態は認められず(もちろんストレスは大きかったですが)、僧堂修行中にヨガなどの運動をや肉体労働がほとんどできなかった(力仕事は男僧の担当)のと、タンパク質の摂取不足で筋肉が落ちた結果だったと思います。
それで、シャバに下りてから、とにかく体重を増やすためにがっつり食べました。まずは、歩き遍路のスタートが香川県(逆打ち)だったので、毎日うどんを食べまくりました。ふだんは取らない卵とか、イカ天を積極的に食べて。

広島ではもちろんお好み焼きをいただき。

長崎ではトルコライスにも挑戦。ペロッと平らげて胸やけもなしでした。

ちゃんぼん&皿うどんとか、海鮮丼とか、Y嬢おすすめの五島うどんとか、ぜんぶひととおり食べました。食べることがこれほどまでに正当化されたのは、たぶん人生で初めてです。おかげで簡単に体重が戻りました。冬の間はむしろ太っていたのではないかと思うほどに。お遍路さんで歩いたり、ヨガのアーサナ練習もできるようになって、筋肉もほぼ元通りになっています。
ホームレス生活(旅)では、外食か宿の食事、あるいはスーパーで調達することが多かったため、自分の家で作って食べる質素なごはんがありがたく、誰かと会う時以外は外食をしたいと思わなくなりました。スーパーやデパ地下のお惣菜などもめったに買いません。
激ヤセした話をしておきながらナンですが、実は私、激ヤセするほどに質素な僧堂のごはんが好きでした。典座寮(台所)では「シャバに下りたらまず何食べたい?」という会話がしばしば交わされましたが、私は特に何も思い浮かばなくて、ここのごはんで満足していると答えると不思議そうな顔されましたね。出されたものをほぼありがたくおいしくいただけたのは、もともと食いしん坊で、もともと好き嫌いがなく、なにより健康だったおかげです。
僧堂修行のあとでは何もかもがありがたく感じられて、ぜいたくを言う気がしなくなりました。選択肢がないというのは、実は幸いなことなんですね。迷うことがないからです。何があっても、「そんなもんなんだー」って思えば、そんなもんなのです。
おいしいものの写真をさんざん並べておいて何言ってるの?って感じですが、ほんとにそうなんです。古代インドの哲人たちが考えたこと、お釈迦さまが考えたこと、ほんとにそうだなと思う毎日です。
明日はマイソール浦安にて「少欲知足」のお話をします。さて、どんな展開になるのやら。