CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

アンビエント瞑想

ムーンデイの連休を利用して八ヶ岳方面へ。着いてまもなく、山間部でよくあるタイプの夕立ちになり、小降りになるのを待って散策するつもりだったのですが、車から出ることができないくらいの激しい降りに。

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叩きつけるような雨

ちょっと小降りになっても再び激しくなるので、散策を断念して犬連れOKのカフェに向かいました。入り口にいちばん近いスペースに車を駐めてダッシュして入店。テラス席に座ってほっとしていたところへ、お店のおにいさんがサンルームみたいなガラス張りの半テラス席が空いたのでどうぞと言ってくださったのですが、雨を味わいたかったのでそのまま外でお茶をいただくことにしました。

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雨の風情もまたよし

私たち以外誰もいないテラスでお茶を飲みながら、持参した仏教の本を読んでいたのですが、本を閉じてふわーっとしていたら、雨の音のアンビエントな感じに誘われて、ある種の瞑想的な状態に......。

欲求や思考のボリュームが弱くなっていき、全身でただ雨を、空を、緑を受容している、というような状態です。思考のボリュームが強い状態だと「わあ、すてきー!」とか思うのでしょうけれど、そういうことも意識せずに、身体でそれを静かに味わっている、そんな感じです。

考えることをやめ、ただ感じるモードに入ると瞑想にアプローチしやすくなります。この初歩的な瞑想状態が得られるだけでも、日常生活では十分に心が調うのではないかと思うのです。アシュタンガの練習も然り。満ち足りた気持ちになって、そこからまた新しく思考のモードに入っていくことで、仕事や家庭でもよい状態でいられるのでしょう。

そして、軽井沢リトリートで、早朝の小鳥の声や、夜が白み始めるというシチュエーションが参加者を坐禅好きにしたように、ある環境に身を置くことで瞑想がより近くにやってくるのは確かです。さらに言うと、好ましいものを念ずるのも瞑想のひとつの手段なのです。

ヨーガ・スートラにはこんな経文があります。

yathābhimata dhyānādvā
あるいはまた、心が欲するものを観想することによっても清澄が生じる
(yoga sūtra Ⅰ-39)

これは間違った解釈をすると逆効果なので注意が必要ですが、たとえばこの雨のテラスを観想してもいいわけです。穏やかで澄んだ心が得られた記憶が役に立つのです。

その後帰り道で、道路に池ができて前が見えなくなるほどの激しい雨に危険を感じ、西日本の豪雨に思いを馳せ、雨の怖さを実感したりもしましたが、雨で身動きとれなくなったこの日は決して残念な日ではありませんでした。

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林の中はまるで夜

明日は坐禅の集まりがあります。

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