CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

禅風味の解剖学講座

楽しみにしていた夏期講座の解剖学。
これは医学気功整体科のカリキュラムに組み込まれているもので、中医中薬専攻科の私は志願して受講したのだけど、ふだん教わることのない先生であることがワクワクその1。そして、ちょうどムーンデイが日曜日という幸運に恵まれ、2日間の講座をリアルで受講できるというのがワクワクその2。日中だけとはいえ2日連続の留守番が心配だったが、シューには泣いてもらうことにした。

ところが、この台風よ。
てんかんの発作発生因子である台風の中、朝から夕方まで理事長をほったらかしにしたら、発作をあおるようなものなので、午前は学校で受講して午後はZoomという折衷案で対応した。

講師の先生は、北京本校の出身ではあるが西洋医でもあり、整形外科で手術をされたり、小児科や栄養学にも携わって、臨床と研究の両分野を歩かれてきたということで、なんかおもしろそうだなというのが第一印象だった。講義が始まるとZoomで受講中の人から声が小さい、ボードが見えないと苦情が続々入るのだが、先生はどこ吹く風といった感じで続けていらっしゃる。

ゴリゴリの解剖学かと思いきや、冒頭で「哲学」という言葉が飛び出してきた。菩薩の話が出てきたり、「われわれは主観の世界に生きている」なんてことも言われる。インド思想か? と気になったが、そのうち筋肉の話になり、普通に解剖学が始まった。

もっと内臓系寄りの話が中心かと想像していたのだけれど、気功整体科の授業のせいか前半はヨガで習った解剖学と似たものだった。しかし、時おり脱線しては先生の思想が入ってくるのがたいへん興味深い。ただの解剖学ではなく、めっちゃ観念的な解剖学なのだ。そのうち骨盤のところで坐禅の話になったりしたので、坐禅されているのだろうとは思った。

2日目の今日は午前Zoomで午後から学校へ行くつもりだったが、午後になっても雨が止まず、本郷まで30分歩くのがおっくうだ。でも、先生に禅のことを聞いてみたい。いっそ伝家の宝刀でタクるか?とも考えたが結局Zoomで受講した。

今日はまたさらに観念的な話がたくさん出てきて、この方は間違いなく禅思想に影響を受けていると確信した。そう思うと、あれもこれも聞いてみたい気持ちが募ってくる。そして、この先生はどんな質問をしても困らないだろうと思った。

ただ、まわりの人たちがドン引きすることが想像されたので、心の中の「ナゼナニおばさん」を押し入れに閉じ込めておいた。そうでなくても、受講されている方は、先生のつかみどころのない禅問答のような話には引いている感じがしたからだ。

で、最後の質問タイムが終わり、ありがとうございましたとZoomの人たちが退出し始めたタイミングで、「興味本位の質問なのですが......」と断り、禅をされているかだけ聞いてみた。曹洞宗という言葉が返ってきたので、どちらで修行されているかを聞いた。少し戸惑われているようなので、聞くべきでなかったかと思っていると、永平寺......の近くにある天龍寺とのお返事。

あ、テンリュウジね。
ええええー!? 天龍寺かー?

ご存知ない方のために説明すると、天龍寺とは禅の旅でお世話になるCHAZENゆかりのお寺。まさか解剖学の先生と天龍寺のご縁でつながっているとは想像だにしていなかった。あとで考えると、その答えを期待も想像もしていないのに、なぜそんな不躾な質問をしたのかがわかってゾゾっとなる。

あまりに個人的な話になってきたので詳しくは聞かなかったが、たぶん笹川老師のお弟子さんのようで、今週は佛生寺の御開帳に行かれるという。えー、星覚さん今佛生寺にお手伝いに行ってるしー。しかし、そんな話をするのはさすがに憚られたので、お礼を言ってそそくさと退出。ああ、びっくりした。

佛生寺の御開帳は33年に一度で、十一面観音好きの私は数年前から拝観するのを楽しみにしていたのだけれど、今は十一面観音さまよりもシュー太郎観音さまをお世話することが優先なので、次回92歳での拝観に賭けることにした。ま、そのときは自分が仏になってる可能性大だけどね。

肝心の解剖学についても、最近膝の痛い人が続出したりして解明したいことがあるので、課題も続出。次々にやりたいことができて困るわー。来週はスートラクラスだし。きっとまた脱線していろいろしゃべりそうやわー。よろしかったらおこしやす。

この寝方も解剖学的に理解したい