CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

瞑想と浄化の時間

リトリートの最後には参加者一人ひとりに、禅の旅でおなじみ「ハイライト&ローライト」という形で感想をお聞きしている。印象に残るものは人それぞれでもあり、似ているようでもある。ハイライトの王道は朝の坐禅や瞑想、マイソール練習だけれど、中には「草取り」とか、今回のように「落ち葉掃き」という声も出る。

落ち葉掃きと言われて一応「そこかよ!」とツッコミを入れたのだけれど、実はリトリートのキモはそこだったりする。禅寺で考えればこれは「作務」という立派な修行のひとつであるし、ヨガで言えば「カルマヨガ=行為あるいは奉仕のヨガ」ということになるが、ヨガスタジオでお客様としてヨガを習っていたら意味がわからないだろうなあ。

ボランティアとか奉仕は誰かのためにやることというイメージがあるけれど、実は自分自身のプラクティスであり、楽しみでもあるのだ。特に草取りや落ち葉掃きのように掃除してきれいにしていくということは、一目瞭然で成果が見えるだけに「浄化」作用が実感しやすい。そして、黙々とカラダを動かすことで頭がカラになるため、瞑想的な時間となる。都会のマンション暮らしでは味わえない野外労働の爽快さが味わえる時間でもある。

あの、荒れ放題のジャングルだった庭がここまできれいになったから。

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すっきりん


参考までに11月時点での落ち葉の状態。右側にあった枯れ枝の山も今回ようやく片づけられた。

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上の写真と縦横は違うけど、だいたい同じ方角


木々の葉が落ちて暗杉くんがなくなったら、向こう側に山が見えた。

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美しい朝


山だけでなく空が見えるようになり、寝る前に外にでたら、煌々と輝く満月の下にオリオン座が光っていた。朝方は西側のゲストルームが月明かりに照らされているのにうっとりし、外に出れば北のほうにでていた北斗七星の脇を流れ星がひとつ。すべてがまるで作り込まれた映像のように美しい。

思えばリトリートまでの準備期間は、周囲からも引かれ、引退するのではと思われ、雨は降り続け、森はジャングルと化し、私の心にも陰がさしていた。

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7月の暗杉くん


気持ちは暗くなる一方だったけれど、リトリートに来てくれた方たちの笑顔がすべてを帳消しにしてくれた。

参加してくれたみなさま、ありがとうございます。


そうそう、暗杉くんはいなくなったのではなく、切り株としてちゃんと存在している。春先はここでお茶でもしてみようかな。

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部長 on 暗杉くん