CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

泣き虫旅がらす

前述のとおり、東北の旅は風邪で動けず&食べられず、ひたすら新幹線に乗るだけの残念なものになりました。なぜ東北かというと、宮沢賢治のことを思っていたからなのですが、体調不良と混んだ新幹線そして団体客の押し寄せる温泉地の不協和音で「すきとほる」はずの賢治ワールドは見えなくなってしまいましたとさ。

何もできないならば、景色だけ見て帰ろうと最後は松島に一泊。

部屋から朝日をのぞむ


仙台では、観光も食事もできない私のために某嬢がご自宅で梅醤番茶と葛りんごをつくってくれて、旅の病身には何よりのごちそうでした。

このお宅は、私が修行に出ている間の「ウチのコたち」の預かり先でもあります。

キリとメソメソ@仙台


港港にオンナがいる風の旅がらすは、福井では道元禅師ゆかりの寺社めぐりに連れて行ってもらい、仙台であたたかいもてなしを賜り、東京では練習生たちが会いに来てくれて、よよと泣き崩れたのでありました。

と、いつもなら大袈裟に脚色するちゃみこさんなのですが、実はこれリアルな姿なのです。体調不良とあっては、感情も波立ちますし、そもそもホームレスになってからというもの、完全にペースが乱れて、ふとシューのことなど思い出されて涙腺崩壊してしまうのです。新しい人生は、たったひとり見知らぬ異国を旅するように心もとないのでした。

得度式はこれまでの自分とお別れするお葬式であり、仏弟子として新しく生まれ変わるための儀式なのだそうですが、どうも今はまだ四十九日の間中有をさまようように、あの世にもこの世にも落ち着く場所がないのかもしれません。

とはいえ、宿泊先をホテルや旅館からゲストハウスに変更してから、だいぶペースを取り戻しつつあります。暮らすように宿泊できることで、やっと自分らしい旅の生活ができるようになりました。東北から鎌倉・東京を経て、ただいまは奈良に滞在中です。もちろんお目当ては仏像♡2011年に旅して以来、いつかゆっくり時間をかけて再訪しようと思っていたのが12年以上たってようやく願望叶ったわけです。

病み上がりで歩き回る自信がないため、今日は自転車で、明日はレンタカーを借りて美仏を巡る予定です。

つづく