CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

ホームレスになったのは......

結局福井では更新ならず、で、ただいまは東北におります。せっかくホームレスなのだからおおいに旅をしようと、岩手までやってきました。しかし、ホームレス生活で体調を崩したのがいまだに尾を引いており、ついに風邪を引いてしまいまして、図らずも寝たきり状態です。風邪なんていつぶりでしょう。少なくともコロナ社会になってからはまったく引いてないです。お山では健康そのものだったので、家がないというのは精神論だけではない厳しさがあるのだと実感しております。

しかも、出発の前夜から福井には大雪警報が出ており、前日には架線の事故で長野や東北新幹線が終日運転取り止めになるというアクシデントがあって、福井から東北までたどりつけるのかまったくわからない状況でした。

朝起きると、見渡す限りの雪景色。

女子寮から見える天龍寺の本堂


1本前の始発は運休だった「えち鉄」こと「えちぜん鉄道」で福井まで出て、金沢行きの特急は運休になったけれど、たまたま予定していた電車が定刻通りで、無事北陸新幹線にも乗り継ぎできたのはラッキーでした。いつもならば料金の安い米原経由で東京に出ますが、金沢まわりだったのも幸いでした。大雪の影響が大きかったのは関ヶ原のほうでしたから。

そんなわけで、無事に東北まで来ることができたのに、だるくて、今日もずっと布団の上に寝ていたい気分ではありますが、そろそろ出発しなければ......。


ところで、ワタクシ今月半ばに名前が変わりました(残念ながら、名字ではなく名前です)。

これまで完全否定し続けていたのに、どういう風の吹き回しか、正式に仏弟子となり、来月から僧堂へ修行に上がります。それで仮にホームレスなのでした。

つづく

なんなんナマWS

喜んでホームレスになったものの、家がないというのはなかなかしんどいものです。それでも、成り行き任せの今日の宿でお茶の水に滞在し、いつも行く古本屋さんのラインナップを今までにない執拗さで眺められ、探していた本も見つかり大満足でした。インターネットでは見つけられなかった本なので、専門店のありがたさ、東京のありがたさを噛み締めました。

やっぱりこの界隈が好き


東京に来たのは、連休に生(ナマ)クラスがあったからです。日曜にレッドクラスと原始仏典のクラス、月曜にはマイソールと陰ヨガというメニューでした。

ホームレス生活でカラダにもアタマにも支障をきたし、何が何だか......の状態ではありましたが、大きな「やらかし」もなく、つつがなく終えることができてよかったです。

いえ、実際は「つつがなく」どころか、予期せぬ充実ぶりを実感できた2日間でした。というのも、4つのクラスがすべて連関していたのです。アシュタンガの内容が原始仏教(座学)の内容と重なり、またそのとき話した内容、質問への答えが陰ヨガにつながりました。2日間フルで受講した人たちはそれを理解し、またしみじみと味わってくれたようで、私自身も「通じた」「伝わった」ヨロコビで満たされました。

ビバ、なんなん!
お互いがお互いを大切に思える、ありがたい存在です。友達のような、家族のような近しい、親しい存在でもあります。

なんなん的肖像権配慮(美女権を侵害して申し訳ない)


髪を短くした私ですが、むしろドレッドにすべきでしたね。
東京では後半、高級マンションで爆睡三昧させていただき、これまでの疲れをチャラにできた感覚があります。ごはんをもりもり食べて(これはいつも)元気満タン。これから福井に戻って次のイベントです。

つづく

謹賀新年2024

明けましておめでとうございます。

山梨を出てから長野、岐阜、富山を経由し、日本海側から福井に入りました。いつもと違うルートで旅をしてみようと富山や石川のエリアをチェックしていたので、今回の地震で被害が大きかった地域が身近に感じられました。元旦からたいへんな災害があり、諸行無常をまた強く感じているお正月です。

地震があったときは、福井の天龍寺でお蕎麦をいただいている最中でした。冬場もどんよりした天気が多い福井にありながら、よく晴れたおだやかな日で、平和だねえ、平和すぎて地震でもこなけりゃいいけど......などと話していたところでした。

最初の短い地震が終わった数分後、尋常でない揺れが来て、外へ出ようとなり、全員が典座寮(キッチン)を出たその瞬間ガッチャーンと音がして、30センチ以上ある陶器の招き猫(中に小銭が詰まっている)が粉々に砕け散ったのでした。数秒遅かったら、誰かの頭を直撃していたと思うとぞっとします。

毎度同じことを思いますが、私たち人間のなせることはごく些細なものです。私たちがアリの働きを眺めているようなもので、ちょっとしたエネルギーが加わるだけで家や街があっという間に崩れてしまうのですね。どんなにテクノロジーが発達しようとも、いや発達したがゆえに、お釈迦さまの教えが必要なのだという思いを新たにしました。

さて、旅の二日目から疲れが噴き出し始めたあと、とにかく怠くて、眠くて、バスでも電車でもホテルでもひたすら寝ておりました。というより、目を開けていられない、起き上がれない状態でした。ひと月分の疲れと睡眠不足が一気に回復を申し出たようです。天龍寺に着いて年末の作務はなんとかお手伝いしたものの、除夜の鐘は布団の中でした。

年が明けてようやく平常に戻り、典座さんの作ったおせちとお雑煮をいただき、ぬくぬくと過ごしています。昨年のお正月よりずっとお正月らしく、まるで実家に帰ったようです。

お餅いくつ食べる? と聞かれて3つ!と即答し、えええ!とドン引きされる(あいかわらずの)私。

初めての「味噌仕立て&丸餅のお雑煮」が新鮮でした。

この味噌はうちの手前味噌ですが......


初詣は、いつも気になっていた天龍寺のすぐ隣にある柴神社へ。

神社の階段見ると上りたくなる性分


数日後には東京へ戻り(戻り?)、連休は茗荷谷でワークショップの予定です。

どんな年になるのやらわかりませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ホームレス生活のはじまり

先日、久しぶりに車で都心を走ったら、あまりの車と人の多さに「ここはニューデリーか?」とびっくりしました。お山では「車もそれほど走ってねえ♪」ので、ビュンビュン走る車とそこかしこに停車するタクシーを脅威に感じました。

ま、都会の人たちも、ドロドロの山梨ナンバーにはびっくりだったと思いますが......。雪道を走ったあとは、溶けた雪で必ず泥だらけになるのです。

最高気温マイナス4℃の白骨温泉にて


で、本題のご報告ですが、1年間よく走ってくれたこの車とも昨日でお別れし、家も手放して、このたびホームレスになりました。

ホームレス!

これまでは賃貸であっても旅をしていたとしても自分の家があり、あるいは実家という「帰る家」があったのですが、本物の家なしになったのです。そうすると決めたらワクワクして、まわりに「ホームレスになる」と吹聴していたところ、星覚さんから「ホームレス即ホームフル、世界中が家ですね」とのお言葉をいただき、ますます楽しくなりました。

というわけで、いまはフーテンの寅さん的に旅をしながら福井を目指しております。家を引き渡すまでは昨年同様まさに嵐のような日々でしたので、頭の中に吹き荒れた嵐の後片付けをしないと次に進めません。それでも今朝は、ようやく興奮がおさまってきたようで、だるくてすぐに起きられませんでした。嵐の最中は疲れを感じている余裕がないので、これで平常運転に戻れそうです。

家がないということは不便であり、肩身が狭いものです。それでも、手を差し伸べてくれる人たちの存在に助けられて、ホームレスが成立しています。手を貸してくれた人たちのおかげで、今回も業者さんに依頼することなく自前で家財道具を移動しました。10月ごろから突然壊れ始めた天窓やシャワーの修理も、ついに業者さんには頼まず終わらせました。

だって、業者さんに頼んだら味気ないじゃないですか。
金銭を払ってサービスを買うよりも、ああだこうだ言いながら一緒に作業をして、失敗したり、迷惑かけながら共同でタスクを完了したほうがおもしろい。手間がかかって、効率が悪いからこそ、経験が身につき、次に何か壊れてもあわてずにいられます。人を巻き込むことは決して悪いことではないのですね。

さて、そろそろ次の場所に移動しますか。
次は間を空けずに続きを書けそうです。

早朝障子を開けたら見えた、満月の残り

コラム再録 #1 見えない存在

先週末は東京と大阪からゲストが来ていました。
お天気がイマイチと思っていたら、意外にも富士山や八ヶ岳がよく見えて、それなら八ヶ岳を眺めながら入る露天風呂のある温泉に行きましたら、にわかにお山が雲隠れ。あらら残念と思う間もなく、大粒の雪が吹きつけてきました。

露天風呂から出している顔に雪が積もるほどでしたが、間もなく雪は止んで晴れ間が出てきました。忙しいお天気です。夜になったら溶けた雪が凍っているお外でしばしの間、星空を眺めてうっとり。

翌朝は雪を被った南アルプスの山々と八ヶ岳をながめながらお散歩して、お山のすばらしさを満喫していかれました。ゲストが喜んでくださるととてもうれしい私です。

この場所から見える甲斐駒ヶ岳がお気に入り


さて、この1年間、会員限定でコラムを配信しておりました。限定ゆえに、かなりパーソナルなことを、思ったままに書いていたのですが、これから何回かに分けて、それらの一部を再録していきたいと思います。

第一弾は、昨年12月のコラムです。
内容的に「ちゃみっ気」のほうにアップしました。

chamico.hatenablog.com

シューちゃん一周忌

11月12日はシューさんの一周忌でした。
10月ごろから去年のことを思い出しては気持ちがぞわぞわしていたのですが、この日はちょうど東京に行ったので、当日は意外にケロッとしておりました。

東京ではマイソールと「心と身体をととのえる」ワークショップ、そしてインド薬膳カレーのお店でランチというスケジュールで楽しい時間を過ごしました。神楽坂のCHAZENだったら定員超えになっていた数の人たちが集まってくれ、よき時間を過ごしたのでした。シューちゃんの写真をプリントして、参加したみなさんへのおみやげにしたのですが、参加者とシューが一緒に写っているものを探しながら、あんなことこんなことに思いを馳せる時間もまた楽しいものでした。

仲間に入れてシューも大喜び


犬のいる「へんなマイソール」でしたけど、それがCHAZENのあたりまえだったので今となってはなんとも思いません。

それよりも、1年たってもなんの違和感もよそよそしさもなく、みんなで集まって練習し、食べて笑っておしゃべりしていることが奇跡的に思えてくるのです。シューも私も、そこにいるみんなが、満ち足りて幸せだなと思いました。

ありがとうございます。

この日は東京も寒いということで、めずらしくお山との気温差がわずかな日で、冬の服装で行っても大丈夫なありがたい日でした。しかし東京が寒いならお山は完全に冬。昨年、シューに寒い思いをさせてしまったので、命日までは私も寒さに震えて過ごそうと決めていたのですが、昨日から薪ストーブはじめました。まだ序の口なので焚けばすぐにあたたまり、ぬくぬくしたあたたかさがしばらく続きます。薪は切って割って乾かして運んで......と用意するのがたいへんですが、薪の火にはそれを超越するよさがあります。寒さが一段厳しくなったがゆえの暖かさを味わいました。

そんな今朝、起きたら水が出ない! 一滴も出ないのです。共同で管理している井戸は、たまに停電や不具合があるのですが、夏場は必ず汲み置きを用意していたのに、雷も鳴らない最近はその観念をまったく忘れていました。

明るくなるのを待って、顔も洗わずに(洗えずに)復旧作業を試みてみようと井戸のポンプ室へと歩いていたところ、モルゲンロートに染まってえも言われぬ美しさをたたえた甲斐駒ヶ岳が目に入りました。

こうしている場合ではない!
引き返して、甲斐駒ヶ岳がいちばんよく見えるスポットへ走りました。

実物はこんなものではない


ありがとう断水、です。
いつもどおりお水が出ていたら見ることのなかった景色が見られました。

これもそれも思し召しです。
欲をかくことなく、天の計らいに感謝して、楽しませていただこうと思います。

ひとつ区切りがついたので、毎月12日に更新していたこのブログですが、これからは日程を決めず、気の向くまま更新しようと思います。どうぞたまに覗きにいらしてください。

サンガなんなんスタート

神楽坂のCHAZENの後継ということで始めたサンガは、当初CHAZEN関係者だけの会員制コミュニティとして始まったのですが、オンラインなのに、いやオンラインだからこそなのか、とてもよい形で育ちました。ということで、発足から1年というこの節目にリニューアルし、どなたも参加しやすいサンガとして再スタートです。

名前も「サンガNamnan」と改めました。

Namnanってなんなん?

なんにもしない&なんにもならんの略です。
(よけいわからなくなったかもしれませんが......)

坐禅というのは、なんにもしないをするものです。
そして坐禅をしても、なんにもならんのです。

chayoga.exblog.jp


さらに、アルファベットで表記するとき、発音的にNamnanとしてみたら具合がよろしい。

Namというのは、Namaste(ナマステー:こんにちは)とか、Sūrya Namaskāra(スーリヤ・ナマスカーラ、太陽礼拝)のNamで、「からだを折り曲げてお辞儀をする」の意から「礼拝する、尊敬する」という意味になります。これは漢語の「南無」で「(ブッダに)帰依する」というような意味でも使われます。

ただし、そんなにこだわってはいません。「なんなん」でも「Namnan」でも「南無南無」でも、なんでもいいのです。それが、なんなんです。あるいは、CHAZENにとらわれない新しいサンガということで変更したわけではありますが、CHAZENと呼んでいただいてもなんの問題もありません。だって、なんなんですから。

メインの活動は、インド思想の座学講座で、ヨーガ・スートラ、原始仏典の勉強会と、禅や仏教の教えを日常生活にいかすためのやさしいお話の会、そして坐禅と「正法眼蔵随聞記」を読む会という4つの部会があります。

また、新宿区白銀町でCHAZENの自主練チームが朝練を続けております。そちらはもう成熟した練習生の集まりなので、私はときどきオンラインでチラ見する程度です。

ときおり、東京で「生の会」としてマイソールクラスやワークショップ、星覚さんの坐禅会なども行います。ちなみに11月12日(日)に茗荷谷でマイソールとワークショップを行います。ご興味のある方は下記のなんなんメールアドレス宛に連絡ください。東京でお会いしましょう!

サンガなんなんへの参加登録は無料です。
お知らせメールの配信を希望される方は、件名を「登録希望」として、お名前と電話番号を記入し、下記なんなんメールアドレス宛までお送りください。

samgha7676@gmail.com


なんなんのブログも始めたいと思っているのですが、まだこれからです。当面はこのブログにて近況報告などいたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

お山は紅葉の季節