敗者復活戦
11月から1月までの3カ月間、スートラクラスの前、あるいはその晩に必ず発作をおこしていたシュー理事長であるが、今月はセーフ。それどころか、昨日のいちごまるかぶり写真からもわかるように、状態はすこぶるよろしい。
鍼灸治療後も発作が出て抗てんかん薬を使うことになったいきさつは以前書いたけれど、その敗北宣言に伴って鍼灸治療も中断していた。毎週電車で通うのはシューにとってストレスのようで電車の中で吠えること、また寒い日に外で待つこともキツく、犬連れだとカフェに入って暖を取ることができないため、芯から体が冷えて自分自身の健康にも障るようになってきたことが主な理由である。何かあったときにすぐに行けないことも気になっていたので、徒歩圏内にあるかかりつけの獣医さんのところで薬を出してもらうことにしたのだった。
その時点では、発作が出るのは私が抗てんかん薬を使わないことにこだわっていたからで、薬を使えば発作はおさまるのだと信じていた。それが私にとっての「敗北」であったのだけれど、薬を飲んでも2週間ほどでまたしても発作が出てしまったのだった。
かかりつけ獣医さんは発作が頻繁に出るようなら薬の量を倍にするように言っていたのでそうしてみたら、なんかシューの様子がおかしい。発作は出ないけれど、やけに体が熱くなっていて明らかに異常な状態だ。
やっぱり抗てんかん薬に頼りたくはない。
最初に感じた違和感は間違ってはいなかったのだと、振り出しに戻って考え直す日々が始まった。
専門知識はないけど、患者のことをいちばんよく知っているのが私だから、まず自分が家庭医となって脈をとるところから始めてみた。そうだった。中医学ではないけれど、アーユルヴェーダで脈診の勉強をしてるじゃないか私。たぶん原理はほとんど同じだろうと、ことあるごとに脈をみてたら、いとも簡単に体調がわかるようになった。
毎日状態をチェックして、早めに調えていけたら発作が回避できるのではないか。
鍼灸に効果があるのは確実なのだけれど、体調悪いからすぐに治療してもらえるわけではない。ならば自分でツボを押したりお灸をしよう。そして、抗てんかん薬も飲みつつ、漢方薬も使おう。
ただ、ドラッグストアなどで売っている漢方薬が効かないことを知っている私としては、お仕着せの漢方薬は使う気になれない。漢方薬局でペットの漢方薬を出しているところがあるので調合してもらおうといくつか電話相談してみたけれど、いずれも調合するものではなかった。漢方調剤までできる獣医さんを見つけるのも至難の技で、あれもダメこれもダメと解決策が見つからない。
そうこうするうち、お山に行くことになったので、出先で鍼を打ってもらえたら少しは移動のストレスが軽減されるのではないかとググったら、なんと分校から車で15分くらいのところに新しくできた動物病院で鍼灸治療をやっていた。
というわけで、まさかの軽井沢で中医学のわかる獣医さんが見つかった。先生がもじゃもじゃの先生と同じ獣医向け鍼灸学校で学んだらしく、治療もスムーズで、渡りに船とはこのことだ。
しかも、ちゃんと診察してからその子に合わせた漢方薬を調合して出してくれるわ、詳しくいろいろなことを説明してくれるわ、日常ケアのためにあずき温灸が用意されているわで、まさに私が願っていたとおりのことがすべて実現されたのにはびっくりだ。長野でこのクオリティを期待していなかっただけに、突如光が差し込んできたような気分。
先生は東京生まれの東京育ちだそうで、開業されたのが軽井沢(正確には隣の御代田町)でよかった。もし東京だったら、予約が殺到するか、忙し過ぎてゆっくり診察できない。あるいは病院が狭すぎたり、診察費が高額にならざるを得ないと思われる。シューさん、あなたは実に運がよろしいぞ。
かくなるうえは、なんとか毎日のケアで理事長のコンディションを調えて、出来る限り発作を押さえ込んでいこうと、再びリングに上がって闘う意欲マンマンのちゃみこさんであります。
理事長よ、18歳目指してしまってこーぜ!