山ノ分校ニ居リマス。
このフレーズもこれで最後。
山の分校とは明日でサヨナラです。
星の王子さまと同じように、犬の王子様もここを去らなければなりません。

この1年、神楽坂であちこちのお店が消えていくのを寂しい思いで眺めてきましたが、他人事ではなかったのでした。
たった2年足らずの短いご縁でした。
短いけれど、とても濃い時間でした。
最初のころは毎回絶望的になりながらも、庭に来た鹿に励まされ、自らを奮い立たせて、果てしのない作業を続けました。何よりありがたかったのは、まだジャングルだったときでさえ、喜んでリトリートに参加してくれた人たちの存在でした。今思い出しても涙が出そうです。
自分で手をかけて少しずつ整えた庭は我が子のようで、あの木あの草花がどうなるのか気になります。庭に立つと、催眠術で操られる人のように身体が動き出してしまいます。
名残惜しさが押し寄せてきますが、多くのものをもたらしてくれた分校ですから、満ち足りた気持ちで、感謝してお別れします。
分校に来ていただきましたみなさまにも厚くお礼申し上げます。
森のイスキアの夢は破れましたが、ゲストたちとの特別な時間は忘れ難いものとなりました。
それに、コロナのおかげで図らずも2ヵ月もの間山籠りの修行生活が送れたことは、天からの授かりものだったとしか思えません。またひとつ目覚めの機会をいただいた夢のような時間でした。
そのコロナによる状況の変化とCHAZEN生の練習に対する変わらぬ熱意を見て、撤退を決意したのは早かったのですが、実際に引き払うのはもう少し後のつもりでいたのです。これもまた運命なのでしょうか。あれよあれよと話が進んで、はいサヨナラとなったのでした。
とはいえ、コロナはただのきっかけにすぎません。
おそらく、ここでやるべきことは済ませたということなのでしょう。
なぜなら、このタイミングで次のなすべきことが与えられたからです。
分校はなくなっても、CHAZENはこれまでどおりに続きます。
分校はなくなっても、シュー理事長は健在です。
ちょっとだけ寂しいけれど、
本当を言えば、すごく寂しいけれど、
サヨナラだけが人生だ。
