CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

飲むべきか飲まざるべきか

初めてマイソールクラスに来た人は、だいたいがお水の入ったボトルを携えて入ってきます。運動する際は必ずお水を飲みながら行うのが常識になったからでしょう。そこでまず先に「アシュタンガヨガでは(もちろん正統の)せっかくあたためた身体を冷やさないため、そして集中が途切れないようにするため、特別なことがない限り途中でお水を飲まない」ということを説明します。

時には練習中にお水を飲んだ方がいい場合もあるので絶対ではありませんが、普通は飲みません。練習後しばらくしてから少しずつ水分補給をするのがアシュタンガ流です。水を飲まないと危険と思っている人は、大丈夫なの?と思うかもしれませんが、大丈夫です。

昭和の部活では途中で水を飲むなと言われたものですが、その後水分をとらないと危険だといわれるようになり、さらには1日2リットル以上など水をたくさん飲む健康法美容法があって、多くの人が大きなペットボトルを抱えて歩くようにもなりました。

ある雑誌に水分に関する特集があり、現代医学の先生が水をたくさん飲みなさいと書いている次のページに、漢方医の先生が水分を取りすぎないようにと書いていて、読者は迷ったことでしょう。

漢方医学では「水毒」といって、捌き切れないお水が身体にたまることによって病気になったり痛みの原因にもなると考えます。特に日本のようにまわりを海に囲まれた湿度の高い土地では体内に余計な水がたまりやすい上、ストレスや疲労、不摂生などで五臓の働きが失調すると、摂取したものが消化しきれず胃に水分が残ってしまいます。

たとえば消化器の弱い私は暑くなると水を捌ききれず余分な水がたまり、食べたものが栄養になって全身に行き渡らないので貧血のような状態になっていました。そんなときに水をたくさん飲んだらよけい具合が悪くなります。けれど、夏が終わって脾胃の機能が回復してくると、ちゃんと水を捌き切れるようになり、身体も栄養されるようになるのです。

冷房が効いたところでデスクワークしている人と外で身体を動かしている人も違いますし、年齢によっても違います。つまり、水分は人それぞれの体質や体調、季節に合わせて「適量」摂取するものなのです。水分補給自体は大事ですが、ナントカ健康法を鵜呑みにして、ひたすら水を飲みすぎないようにしたほうがいいと思います。また、できるだけ冷たいものを避けて常温以上のものを少しずつ飲むことも大事です。アシュタンガ=アーユルヴェーダと同じ考えで、消化の火を弱めないようにするのがポイントといえます。

漢方医学では、絶対的なひとつの健康法があるのではなく、その人の体調や体質だけでなく、その時々の季節や土地柄なども考慮して、なにをすべきかが変わるということです。季節ごとに養生法も異なるので、漢方喫茶でそのあたりを少しずつシェアしていきますね。

次回は11月3日、そろそろ冷えてくる時季なので、かぜの予防と対策をテーマに陰ヨガ+漢方喫茶を企画しました。

もうひとつ、星覚さんがベルリンから戻られ、10月31日にCHAZENにて坐禅会となります。

詳細はこちらからどうぞ。

www.chazenyoga.com


女子の着替えをチェックしにいくハレンチ理事長。

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どこまでもオンナ好き