すっきりした庭とターメリックチャイ
カメムシは刺激しないで外に逃せば臭くない。36日目の山籠もり日記です。
きのうの朝、火を入れていないストーブの前で坐ろうとして、はて、寒くないときはどこで坐っていたっけ? と一瞬考えてしまいました。結局ストーブの前で坐って、ついでにやっぱり火も入れたのでした。
夏は和室で坐っていたのに、すっかり忘れていました。まだ早朝冷えてストーブ焚く日はあると思いますが、5月なので衣替えです。ストーブまわりや和室をすっきり片づけて夏仕様に模様替えしてみました。薪はまだ残っています。
突然暑くなったのでカラダがなじんでいません。朝に小一時間外で作務したら昼間は室内で過ごしております。今までがんばったのは、気温が上がり虫が出てくる前にたいへんなことを終わらせておきたいからなのでした。去年は絶望的なジャングルだったので、暑かろうが、虫にストーカーされようが、やるしかなかったのです。
ちょうど掃除を始めてからまる1年になろうとしていますが、エンドレスと思えた庭の掃除もほぼ終了です。4月に自粛になったのは気温や天気で考えるとグッドタイミングでした。
昨年は暗闇を手探りで進むようでしたが、ようやく夜明けが来た感じです。夜明けが来たのにゲストが来れないのが残念ですが、誰のためでも何のためでもない、ただやる修行であったと思うと爽快です。
ところで話は変わりますが、インドのアーユルヴェーダ医からのメールにあった、免疫力アップのハーブドリンクを作って飲んでみました。ターメリックのチャイ風でおいしかったので(今も飲みながら書いている)ここにレシピを紹介しておきます。
(4人分)
ターメリック : ティースプーン1/2
ペッパー:4粒
すり下ろした生姜 : ティースプーン1/4
水:400ml
牛乳:100ml
400mlになるまで火にかけて煎じたものをあたたかいまま100ml飲む。
(*家族用に4人分のレシピなので、適当に分量を減らしてみてください)
カフェインが入らないので寝る前に飲むのもよさそうですね。そういえば、ヘーミッシュ先生はターメリックとビーツが効くとありました。
アンチコロナ・リトリート、やりたいなあ。
それではまた近いうちに。
ヘーミッシュ先生のブログ
日記と称しているこの投稿が「手紙」形式であることに今さら気づいた。35日目の山籠もり日記です。
ゴールデンウィーク満喫中につき、じっとパソコンの前にいたらやや冷えてきたので、チップとデールのカフェでお茶。
......と思ったらすでに暑すぎて再び室内に退散。シェードやパラソルを用意せねば......です。
先日からアシュタンガヨガロンドンのヘーミッシュ先生のブログを読んでいます。ロックダウンでクローズしてから毎日、自身や家族のこと、思い出話などとともに「マハーバーラタ」のストーリーを連載されているのです。
「マハーバーラタ」というのは「バガヴァッド・ギーター」がその一部となっているインドの壮大な物語。CHAZENで読んでいる岩波のギーター本では前書きのところに書いてあるギーターに至るまでの経緯、登場人物が多くてわけわかんないと読み手を挫折させるあの部分を、ダイジェストストーリーとしてブログに書いているのです。
さすが。こんなときでもなければ、多くの人は読む気にならないでしょう。いつもギーターの第一回で私が「あれやこれやのいろいろなことがあって戦争が回避できないところまできてしまった」としか説明しない、ホントにあれやこれやがあって......というお話です。これ、すばらしい「ロックダウンの友」になっているのではないでしょうか。
英語ですが、興味があればぜひ読んでみてください。3月19日までold postsを遡ると最初から読めますよ。
http://astangayogalondon.com/category/blog/
ちなみに、ステイホームなGWのお供には、アシュタンガヨガロンドンについて書いたこちらもどうぞ(日本語)。自分で読んで無性にロンドンに行きたくなりました。
chayoga.exblog.jp
ヘーミッシュ先生といえば「午前1時に起きて自分の練習してから指導」という超人なのですが、34年間のアシュタンガライフで練習しなかった日は両手で数えられるほどしかないと書いていらっしゃいます。普通の人は1年でもう両手の指どころではないはずです。また今でも週のおわりになるとカラダが悲鳴をあげるというくらいアーサナ練習を続けているそうで、感服いたします。
長年アーサナ練習を続けたあとは、アーサナの路線は卒業して別のプラクティスに重心を移すアシュタンギも多いかと思うのですが、ヘーミッシュ先生はまだ現役バリバリにアーサナを練習していらっしゃる。それでいてまったくアーサナ至上主義ではないのです。
おそらく、最初から「達成」とか「獲得」の欲が少なかったのではないかと推測しています。純粋に練習を続けてきただけだから、どんなにアドバンスのポーズも太陽礼拝と同じようにただ練習できるのではないかと、ブログを読んでいてそんなふうに思いました。
ポーズがヨガではないとはよく言われますけれど、ポーズもヨガであることは間違いなく、どういうふうにポーズを練習するかでただの体操になるかヨガになるかが違うだけなのですね。
ヨーガ・スートラに書いてある八支則(アシュターンガ)に基づいて修行を進めることをaṣṭhānga mārgaと言います。mārga(マールガ)というのは道という意味です。ヘーミッシュ先生は忠実にパッタビ・ジョイス・マールガを歩んでこられた人なのですね。
今やアシュタンガのアーサナ練習は私にとって、舌洗浄や鼻うがいと同様の浄化の習慣であり、どちらかというと禅マールガに傾倒している私ではありますが、どのマールガがいいとか悪いということではなく、どれだけ純粋にそのものになって道を進むかの問題なのだと思います。
CHAZEN生の多くが今、アシュタンガを練習していてよかったと心から思っているようです。みんな精神的にも安定しているように見受けられます。
そして私は、ギーターほか座学のオンラインクラスを考え始めています。まさかのオンラインクラスですが、柔軟に、前向きに検討してみます。
それではまた近いうちに。
お庭でドッグラン
買い出しの日はつい食べすぎてしまう。34日目の山籠もり日記です。
昨年はまずまず普通に、東京にいるときよりはよく歩いたシューさんですが、さすがに今年は歩きたがらないことが多い。起き抜けは特に脚が痛いのか力が入らないのか、よく転んだりびっこひいてたり。それでお散歩は1日1回にして、あとは私が作業している間お庭に放置しています。
昨年まではお隣や道路まで行ってしまうのでちょっと危険だったけど、今年はほとんど動かない(固まっていることも)ので心配もいらない。
きのう、シューさんがずっと窓から外を見ていて。
午後はちょうどいい感じに日陰になるから、お庭でドッグランしました(ランじゃなく徘徊だけど)。
昨年はジャングルすぎて、ダニやその他の虫だらけでとても近づけられなかったエリアを整備したので、安心して歩けます。ダニチェックは必須だけど。あ、自分もね。
あちこち歩いてみてる、その姿がすごくかわいくって、めちゃめちゃかわいくて......。
一緒にまつぼっくりを拾って、ただそれだけなのに「ただ在る」だけのその刹那になんとも言えない満ち足りた歓びを感じました。
散歩中のおともだちとごあいさつして。
もはやお山でも都会でも同じと思ってましたが、いつでもお庭に出られてきれいな空気が吸えて、そこそこ歩ける庭は、東京にはないのでした。
それではまた近いうちに。
お山の春爛漫
諭吉さんに続いて、買ったことを忘れていた「おやき」を発見して小躍り。33日目の山籠もり日記です。
春爛漫です。
お山と桜はあまり結びつかなかったのですが、日本人はやはり桜なんですね。
よく見るとどこの家にも桜が植えてあります。両隣もお向かいさんも桜が美しく咲いています。
分校の庭にもひょろっとした桜が1本ありますが、例によって花は咲かないようです。
......と思ったらほんのわずかに咲いていました。目を凝らさないと見えませんが。
さて、薪の、食料のやりくりに最大のエネルギーを費やした山籠もり生活ですが、同じように残量を気にしていたのはデータ通信量です。
東京ではほぼ使わないiPhoneのデータ通信なので、今回は追加購入でチャージしながらしのいでいます。動画など見たらすぐなくなってしまうのでなし(例の星野源とのコラボ動画もみてない)。ニュースサイトも文字で読むだけ。今必要でないサイトは見ないという具合です。
自主封鎖が長引いたため、さすがに唯一の情報源がこれでは心許ないと5月から契約を変更しました。無制限ではないので、長時間YouTubeを見たりはできませんが、明日から気軽につなぐことができそうです。
そういえば先日、スーパーで新聞を買ってみました。紙の新聞を読まなくなってずいぶんたちますが、テレビ欄とか4コマ漫画とか、読者のページなどにほっと和みました。テレビやネットほど印象が強くないので、よい距離感で出来事を眺められるような気がします。
東京で新聞をとらないのは読む時間が惜しいのと、古新聞が邪魔だからなのですが、時間も物置のスペースもたっぷりあるここでは新聞を配達してもらえばよかったなと今は思います。
ゴールデンウィーク中は爆働禁止令を布いて、アシュタンガと読書とインターネットにいそしむ予定です。都会人的なステイホームです。
それではまた近いうちに。
与作仕事の終わり
通帳の間に存在を忘れていた現金が入っていて、諭吉さんが仏さまに見えました。ナンマイダー。3枚だー。32日目の山籠もり日記です。
これが最後と思われる氷点下の朝。
外の温度計がなくても、シャクナゲが葉っぱをぎゅっと閉じているのでわかるのです。寒冷地の植物はこうやって寒さに耐えて生き延びているのですね。地球上のあらゆる生命がそれぞれの仕方で身を守り、生きようとする姿に崇高なものを感じます。
少し気温が上がると開いてきます。
薪ストーブで煮込み料理ももう最後とミネストローネを作りました。以前はヘビロテで作っていたのですが、何年ぶりでしょう。ハトムギを入れることをすっかり忘れてました。イタリアンは外でも家でも食べなくなったのに、コロナでパスタも復活です。こちらに来てすでに1kg消費しました。
2週間くらい買い物に行かなくても困らないですが、新鮮なものを食べることができないのが難点です。それでも賞味期限をやりくりして、今のところ食品ロス0です。期限切れの牛乳も状態をチェックしながら加熱すれば大丈夫。今回はいつもの低温殺菌牛乳と2本目として期限の長い標準殺菌牛乳を買ったのでまだ期限内です。
さて、いよいよ与作仕事もいったん終了。来シーズン用の薪を収納しました。ヘイヘイホー。
ブロックに木を差したなんちゃってラックは、まあこんなものかなと思いますが、ちょっと気に入らないのが真ん中のプラスチック。ここに置いてあった、たぶんタイヤのラックと思われるものは、素材的にも強度的にも難あり。次に積み直すタイミングで外そうと思いますが、最後に載せる屋根の素材もポリなのでした(左端にちょっと写ってるアレ)。
家の裏側だからいいかと思ったら、練習しているときに窓から見えるということに気づきました。リトリートまでの課題にします。
それではまた明日(たぶん)。
ゆだねる
ごきげんよう。
人生初のゴールデンウィーク長期休暇となった30日目の山籠もり日記です。
大雪の日に来てからひと月。ついに、ストーブの前から離れてマットを敷いた朝でした。しかし、寒さと練習不足、肉体疲労とアウターマッスルの使いすぎで、カラダが硬くギシギシです。私の経験によれば、暖房なしでアシュタンガの練習が快適になる室温は23℃です。東京はちょうどよい気候で練習できる季節。CHAZENだったらもうシェードが必要になるでしょう。
作業がだいたい片づいてきたので、きょうはゆるゆるモード。
ストーブの火が消えたあと、午前中のひとときをウッドデッキで過ごしてみました。きのうと違って風もなくぽかぽかです。まだ塗料が乾き切ってないところもあるのと、部長の足が挟まったり爪がひっかかりそうなので、コルクボードを敷いて。
パラソルとチェアがほしいところですが、このウッドデッキはどちらかというと「縁側」な感じで、座布団敷いて野沢菜をかじりながらお茶をすするイメージがあります。それはそれでいいかも。
しかし、のほほんとしてはいられません。これから鬼のように引き落としや支払いが始まるので、ショートしないように資金繰りを始めないと。なんだか自転車操業のようだな、などと他人事のように構えておりますが、残高を見たら卒倒するかもしれません。
銀行に行ってないので口座にいくら残っているのか知らないのです。買い物はすべてクレジットカードなので、まるで今月はお金を使っていないかのような錯覚さえあります。ここは竜宮城のようです。
そんな私を見越してか、何人もの人が協力金や支援金の申請について教えてくれました。ありがたいことです。私だけでなく、多くの人が経済的に困窮していると思うので、より切羽詰まっている人に早く支給されるようぼちぼち申請しようと思います。
CHAZENの運命は、大いなる存在にゆだねてしまおうと思っています。
畢竟、なくて困るものなどないのです。「災難に遭うときは遭うがよろし」です。
災難にあう時節には災難にあうがよく候。
死ぬる時節には死ぬがよく候。
これはこれ災難をのがるる妙法にて候。
良寛和尚
それではまた近いうちに。
花咲か爺さん
ごきげんよう。
いつか軽井沢の別荘で優雅な休日を過ごしてみたい。29日目の山籠もり日記です。
お山にも春が来て、一斉に花が咲き始めました。梅も桜も、ツツジもモクレンも。ホントに何もかもが同時です。
木々の緑が日増しに増えていく様は、まるで「だるまさんがころんだ」で目を開けたときのようです。柔らかい葉をぎゅっと巻きつけて伸びようとしている熊笹が、無残にもちゃみこさんに刈り取られていきます。
きょうは朝の冷え込みもゆるみ、夕方はストーブを焚かなくても寒くないです。薪活すると暖かくなる。そんなもんです。
分校の庭ではオオデマリが蕾をつけてると思ったら、もう開いてきました。
*追記:樹木図鑑で調べたら、これはオオデマリではなく、オオカメノキのようです。オオデマリはこの木の右にあり、開花はもう少し先でした)
そして、シャクナゲの花もまもなく。
実は、昨年、契約のときお会いした売主さんが「あのシャクナゲ花が咲かないのよ。栄養をあげてちょうだい」とおっしゃっていたのです。実際、3本あったシャクナゲは花が咲くどころか、葉も元気なさそうでした。栄養あげて咲くような感じでもないので「そんな木は切っておしまい!」と不思議のアリスに出てくる女王様のように、2本を切ってしまったのでした。
いちばん状態のよかった1本を残したものの、暗杉くんを伐採するときに犠牲になると言われ「ぜんぜんオッケーです」と返答したくらいみすぼらしかったのです。結局はちゃんと養生してくださって無傷でしたが。
それだけに、今月固い蕾をつけているのを見たときはびっくり。つぼみをつけてるのは全体の3分の1以下なので、さらに弱っている枝を剪定して見守っていたら、ピンクの花弁が顔を覗かせていました。やった!
たぶん、暗杉くんを伐採したからだと思います。
今までは暗杉くんにぜんぶ栄養を吸い取られてしまっていたのでしょうね。
リトリートもできるかどうかわからない状況なので、庭をどう作るかということまで考えずにただ掃除しているだけなのですが、まるで花咲か爺さんになったような嬉びを感じます(そういえば灰も撒きました)。
あ、花咲か爺さんはこちらでした。故暗杉くんの上で。
自然界はコロナなどどこ吹く風。
それではまた近いうちに。