例年この時期はピーカン続きのド真夏日なハズで、その暑さから逃れて高原の別天地へ......という目論見だったのに、7月中降り続きで梅雨は明けない上に、週末に台風という予報。森に囲まれたリトリートハウスの湿気がすごい。
前日一足先に軽井沢入りした私は、もっとコンディションのいい時に初めてのゲストを迎えたかった......と暗澹たる心持ちで一晩を過ごしていた。
が、翌朝は青空が広がり、日差しがきついほどに。開店前にお蕎麦屋さんに到着し、ゆったりテラス席ゲット。
海外在住の方には申し訳ありませんが、こんなのをいただきましたよ。
近くのお店に何軒か立ち寄ったあと、森の家へ到着し、ウェルカムティータイム。のち、草取り作務。高原のさわやかな風はなく、作業していたら大汗かいた。部長が中でブーブー文句を言っているので、サンデーパークまで軽くお散歩。
この日はゲストのひとりS嬢がスパイスカレーを作ってくれるということで、仕込みが始まる。キッチンは特に広くもないけれど数人で作業できるくらいのスペースはあるので、調理実習的なプログラムも盛り込んでいきたい。
メニューは厚揚げ、ナス、オクラの3種のカレーとナス、ミョウガ、キュウリの塩もみ。
トマトと玉ねぎでベースをつくっているところ。
このあと外に出て作業をしていたら、めちゃくちゃおいしそうな匂いが漂ってきて、誰かがご飯をつくってくれる幸せを味わいながら土を運んだ。期待どおりのおいしい夕ご飯は、けっこうなボリュームだったけど、ペロッと完食。スパイスカレー気に入った。今週は自分でつくってみよ。
お次は温泉タイム。
夏の間は旧軽やアウトレットなどはもちろん、昨年行った星のやのトンボの湯などにも近づかないと決めているので、昭和レトロな旅館の温泉へ。何気に私はこの温泉が気に入っているのだ。入浴料千円以上が当たり前の軽井沢にあって五百円だしね。
夜は特になにもせず、ゆっくりして早めに就寝。
低予算で間に合わせ的に作ったゲストルームだけど、ベッドや布団・枕は寝心地よかったとのこと。
で、翌朝。リトリートの本領発揮の朝は坐禅からスタート。ここで初めて気づいたのだけれど、鐘というか鳴らし物がない。ひとりで坐っているときは使わないので、すっかり忘れていた。で、ヤカンを叩くという暴挙に出て、素っ頓狂な音を立ててしまったけれど、とにかく静かだし、鳥や蝉の声の中、自然と一体になれる坐禅はやっぱりいい。
坐禅が終わったあと、坐禅のままお白湯をいただく。まろやかなお白湯の味を堪能しつつ、アーマ(毒素)を洗い流す時間。
のち、朝の散歩へ。
予報では土曜日雨で散歩にも出られないかと思っていたのに、陽も差してきて、湿度もやや落ち着いた感じ。浅間山は見えなかったけどね。別荘地内にある個性的な建築物の見学ツアーをして、お部屋からはどんな景色が見えるのだろうなどと想像を膨らませるのが楽しいのだ。
戻ってきていよいよマイソール。
こんなに夏の朝日が差し込んでいても、木々の枝葉でまぶしくない。
あとで感想を聞いたら、この練習がとてもよかったということで、私はほっと胸をなでおろしたのだった。ヒグラシや小鳥の声以外聞こえない静けさ、ゆらゆらする木漏れ日の中でする練習こそ、リトリートで味わってほしいものだから。
最悪のタイミングと思ったわりには雨に降られることもなく、モニターとして来てくれたゲストにも満足してもらえて、絶望的になっていたことがウソのように結果オーライの試運転となった。ありがとうございます。
もちろん、まだまだ課題が山積みではあるけれど、ぼちぼちやっていけそうな気はしてきた。
予定では今朝の神楽坂マイソールに間に合うように朝帰りするつもりだったけれど、台風のことがあるので予定を早めてきのうの夕方には帰京。帰りがけ、ちょっと偵察するつもりだったお店で、おいしいランチをいただき、思わぬ興味深いものを発見したりして、なかなかどうして盛りだくさんの充実した1泊2日となったのだった。長くなったのでそれはまた改めて。