台風に祟られている森のリトリートですが、今回も前日に大雨。なぜに毎回大雨?
前夜のうちに雨は上がったものの、すっきりとは晴れず。
今回は学びや修行風味が少ないお気楽リトリートというコンセプトなのに、アウトドアを楽しむにはイマイチのお天気。庭は湿っていて焚き火のコンディションではないし......。ということで急遽プランを変更して小ドライブで紅葉を見に行くべく、信濃追分駅ではなく軽井沢駅までみなさんをお迎えに。
その前にまずはお蕎麦から。
初めてのお蕎麦屋さんに行ってみたのですが、部長同伴できるテラス席は寒く全員あったかいお蕎麦を注文。11時すぎというのに店は繁盛していて待ち時間でさらに冷えたカラダに揚げ餅蕎麦がしみる〜。必然的に無言の行でいただきました。
向かったのは見晴台。
群馬と長野の県境にある碓氷峠からの眺望をのぞむ場所です。かれこれ20年以上も前に行った記憶をたどったのですが、そのほとんどは忘却の彼方に飛んでいて我ながら驚きました。こんなのあったっけ?と。
曇り空でも圧巻のナイスビュー。
部長も思わず瞑想状態に。
峠の茶屋で力餅休憩になると俄然やる気モード。
森の家に到着後、敷地は濡れた落ち葉が貼り付いている状態でしたが、せっかくなので儀式として小さな焚き火をしてみることに。濡れてない小枝を拾ってきて絶えずフーフー吹きながら小さな炎を保ち、お約束のマショマロを炙ったり、たまたまあったぎんなんを焼いたり。なかなか楽しい大人の火遊び(!)でした。
その後室内に戻って軽い夕食。
みんな薪ストーブの前に陣取っているので、そのままテーブルにはつかずに火を囲んでコース料理のように一品ずついただきました。メニューは朝焚いた薪ストーブの熱で炊いたふろふき大根。薪ストーブで焙ったおやき。CHAZEN米のおかゆ。柿。
リトリートでは当初考えていたプチ断食はやめて、日常で実践しやすいような少食にしようと考えています。基本はもちろん「詫び飯」。季節やテーマによって内容は変えていきますが、特に淡味を効かせた消化のよいものを提供していくつもりです。
食べ終わる頃には日はすっかり落ちて、暗闇アクティビティ。
そして、その冷えたカラダとともに温泉へ。昼のお蕎麦同様冷えた分だけ温泉がしみた〜。
翌朝はリトリートの定番メニュー、坐禅〜散歩〜マイソールの流れです。
朝ごはんはテーブルでいただきましたが、トーストはやっぱり薪ストーブで。
レクチャーなどのコンテンツがないために私としては物足りない気がした今回のリトリートでしたが、参加された方たちはその分ゆったりと自然を堪能していただけたようです。学びは東京でもできますが、自然の中に身を置くことは森の家でしか味わえないことなので、これこそがリトリートでしょうかね。
秋はセミも鳴かず、鳥の声も控えめで、ほんとうに静かです。
それに薪ストーブはエアコンやヒーターなどと違って電気が作るゴーッという風の音もなく、ときどきパチパチする音がこころをもあたためてくれます。ゆらゆらゆったりとした雰囲気は最高のぜいたくかもしれません。
2日目も朝から曇っていて出発のときに浅間山がすっぱりと雲に覆われていたのですが、センターハウスに車を停めて、控えめだった朝の散歩を補うべく別荘地内を散策していたら、その雲がまったくなくなっていたのには驚きました。
最後の最後に姿を現すというなかなかの演出です。
中軽井沢駅で見送った参加者たちの顔も、この浅間山のようにすっきりと晴れていたことが印象的でした。私が何をせずとも、リトリートの目的は十分に果たされたのでした。
大事なことは自然が教えてくれる。
レクチャーよりも、偉大な師からの無言のメッセージ。
これを基本に今シーズン最後の企画を立ててみようと思います。