水難の相
山ノ分校ニ居リマス。
実にほぼ2カ月ぶりです。ひと月以上空けたのは初めてのことで、トイレのタンクに虫の死骸がいたりしてびっくりです。そして庭は昨年の冬とはまったく違う景色になっていました。雪が降ったあと溶けた水が凍って、スケートリンクのようになっています。
到着した時点で室温は1℃。
とはいえ、日当たりがいいので晴れていればそこそこ暖はとれます。何はともあれ薪ストープに火を入れて、いい感じで燃えてきたところで、車で待機していた理事長をお連れして、次は水を出します。
凍結防止のために家中の水抜きをして蛇口を開けたままにしてありますから、まずはそれらを閉めて、トイレの水道栓をつないで、外にある水道の元栓を開けます。久しぶりですが昨年何度も繰り返したので手慣れたものです。が、やかんに水を入れようとしたら、二階で何か音がする。
階段を上ったら、じゅうたんが水浸し!
トイレの水道の管が外れて水が廊下に流れていたのです。
ドラえもん並みに青くなって元栓を閉めに外に出て戻ったら、もう水が階段を伝って流れ落ちていました。
インドの神様並みに青くなり、一瞬思考停止。
が、落ち着いて対処法を考えている暇はありません。テンパりまくりながら拭いていたところへ、部屋が暖まるまでシューを預かりますよとお向かいの奥様が見えたのでお願いしました。
トイレの水道栓と管をつないで、それを固定するプラスティックの器具があるのですが、その器具の止め方が甘かったのでしょう。最初に水が出るときの圧で外れてしまったようです。ちゃんと抜けないか引っ張って確認したので、うっかりというわけではないのですが、慣れがあるので失敗を想定していませんでした。
それから3時間ほど古シーツなどで水分を拭いて、サーキュレーターと除湿機の衣類乾燥モードで乾かしてからシューを迎えに行きました。手作りのクッキーとコーヒーをごちそうになり、やっと人心地がついた感じです。こういうときは特に、人の情けが身に染みます。
お向かいさんも以前水出しのときに閉め忘れで2階から水が流れ、1階の床まで水浸しになったそうですが、乾いたらなんともなかったという話を聞いて、少しほっとしたり。シューはずっと徘徊していたそうで、抱っこしてお茶をいただいていたらすぐに膝の上でグーピーいびきをかいて寝ていました。
そんなこんなで、暗くなってから薪を取りに外に出たら、最高に寒い夜は星空も最高に美しく......。心身ともに疲弊していても人生すべてが美しく思えるような夜でした。それに、夜中までもろもろ作業に追われていたおかげで薪を絶やすことがなく、マイナス10℃でもぬくぬく過ごせたのも不幸中の幸いでした。
実は先月、東京でも水で騒ぎがあったのです。
マイソールの始まる前にトイレ掃除をしていて、ウォシュレットのホースを拭いていたら突然水が吹き出してきたのです。そのときも青ざめましたが、量がさほどでなく、アシスタント嬢が持ってきてくれたTOTOのスパナで閉めて応急処置をしたら止まりました。
あぶないあぶない。マンションで水漏れしたら大問題です。管理会社に見てもらったら、パッキンが老朽化してゆるんでいたみたいで修理してもらいましたが、どこに水道の元栓があるかも知らなかったので、最悪水漏れなどのリスクがあることを承知しておかねばと改めて思っていたところだったのですがね......。
なんだか水難の相が出ているようです。
これをアラートと受け止めて、気を引き締めて参りたいと思います。
特別芋が好きではない私ですが、薪ストーブで焼いた焼き芋はめちゃウマで、うっかりシューさんそっちのけでたくさん食べてしまいました。お向かいさんの手作りクッキーがまた絶品でヤバイ。
お蕎麦は具のないかけそばを頼んで、自堕落に糖質無制限中です。