山ノ分校ニ居リマス。
今回は暖かくてラクです。
とにかくここは静かで、視界に入るのは大地と空と木々ばかり。それだけで心のモードが変わることを実感します。心がベストポジションに収まるような感覚です。
このところ、なんとなく張り合いに欠ける毎日でした。けれども、お山に来るとそういう気持ちがすっと引いていって、代わりに落ち着き先が降りてきます。
3.11から10年ということで、新聞などでさまざまな人たちの震災に対する思いを読んでいますが、あまりにもショッキングな出来事だったので、被災しなかった人でさえも罪悪感や無力感をもったまま生きていることに気づかされます。
みんな心の底にこのモヤモヤを抱えている。誠実な人、まじめな人ほどその思いが強いかもしれません。誰もがあの日のこと、そしてあの日から続く日々のことを鮮明に記憶しています。
お山にいると、そういう気持ちを否定するでもなく、そこから逃げようというのでもなく、忘れるわけでもなく、ただ静かにそのモヤモヤがある事実だけを受け入れることができます。
どんなことがあろうと、時はうつろい、いつも新しい今がそこにあります。どんな思いを抱えていようが、どんな過去に苛まれようが、しっかりと立って、歩いていくだけなんだなと。
震災から10年を経て、私にとってはそれが「祈り」であるような気がします。