CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

めぐらせよう

先日の星覚さんの言葉でお経の功徳をめぐらせるという「回向」の話が響いたのには、ふたつ理由がありました。

ひとつ目は先日も書いたように、利他の心をもっているといろいろなことがうまく回ると感じたこと。反対に、自分のことばかり考えていると(執着していると)停滞して、ものごとが進まなかったり、よくない方向へ進んだりするものです。なにか落ち込んだり、うまくいかないと嘆いているときは、だいたい<私>にとらわれているときです。余裕がなく、感謝を忘れているときでもあります。

そして、もうひとつには「めぐらせる」という言葉が、中医学の気血をめぐらせることと重なったからです。

病気や不調の原因の多くは、血液やリンパなどのめぐりが悪くなることによって起こるのではないかと感じています。たとえば、冬からずっと右足の股関節が痛いのですが、原因のひとつがお山で肉体労働をしなくなり、代わりにデスクワークで座りっぱなしの時間が増えたことにあるのではないかとにらんでいます。

人体というのは「流れてナンボ」なんでしょうね。
流れることによって私たちは生きているわけですから。

そして、血液の流れが悪くなると、気の流れも悪くなるものです。それが上記の停滞ということですが、体調ばかりか、仕事や人間関係などにも影響します。

コロナ禍で思うようにものごとが動かなくなっている今は、まさにこのめぐりが悪くなっている状態だと思います。社会の「気」がめぐっていないからです。ニュースを見ると、停滞どころか鬱血して壊死するのではないかと思うようなことばかりです。私たち一人ひとりがみんな、この星にすむ生きとし生けるもののために祈るこころをもって、そういう心のある人がリーダーとなって社会がめぐるようになれば、いろいろが落ち着くはずなのです。

私たちにできることは、カラダを動かして血液をめぐらせ、深い呼吸によって気をめぐらせるとともに、この星ぜんたいのために祈りをめぐらせることです。

そんなわけで、GWには、気をめぐらせるための陰ヨガと、星覚さんによるオンライン坐禅会を行います。

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私自身は、先日のオンライン朝課でスイッチが入ったところに中医学の学生生活がスタートして、ゆるんでいた気がピシッと締まったところです。まずは午前中食べすぎないように、できたら炭水化物を抜いて、勉強しても眠くならないコンディションづくりを始めています。そして勉強の合間には、ひとりで(理事長の昼寝中)早足散歩をしています。

変異株の第4波は第3波を軽く超えていきそうです。
どんな展開になろうとも、気をめぐらせて、祈りをめぐらせて、乗り越えていきましょう。

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祈りをめぐらせて「無」になる理事長

なんて気持ちのよい朝

今朝のオンライン坐禅会は坐禅と朝課(朝の勤行)という特別バージョンでした。

これがよかった〜。
参加者それぞれの朝が永平寺の朝になったのですから......。

6時からの坐禅は短めバージョンでした。
坐禅の最後に星覚さんがお袈裟を頭に乗せて偈文を唱えます。

何と唱えていたか知りたい方はこちらをご覧ください。

chayoga.exblog.jp


久しぶりにこれを聞いて、ハッと我に帰る思いがしました。
続く朝課もフルで唱えるのはずいぶん久しぶりで、口が回らなくなっていましたが、ダメ人間にやる気スイッチが入ったように背骨シャキーンです。あとで「浄化された」という感想があったように、オンラインでもマイナスイオンのシャワーが降り注いでいるがごとく、聖なる時間と空間に変わりました。

永平寺の修行を終えてすでにかなりの年月が経っている今も、お経以外の細部までちゃんと再現できるほどにこの儀式を行じ続けている星覚さんに、改めて畏敬の念を抱きました。仕事でもなく、何かの得になるわけでもないことを、ただひたすら毎朝行う。それこそが只管=BeTubeなのです。

参加された方は、おそらくそのサットヴァによって心が浄化されるのを感じたことでしょう。ただのお経ではない何かを受け止めたことでしょう。頭で理解する必要などこれっぽっちもありません。感じるだけでいいのですから。


朝課で、それぞれのお経を読んだあとに回向といって略三宝を唱えましたが、その意味について星覚さんが事前に解説コメントをくださいました。

ご縁でつながるこの星全てに祈りを届け、お経の功徳を巡らせる作法です。

自分のためだけではないのです。
上記リンクの「衆生を渡す」ということは大乗仏教の基本です。自分よりも先に、生きとし生けるものすべてが救われることを願うのですね。私たちから見たら、それこそがお経のありがたさなのだと思いますが、よく考えると修行者としてもそれが理に叶っています。

なぜなら、自分が悟りを開くことに執着している間は悟れないからです。
 
自我を離れたところに悟りが「訪れる」わけですから、いかに数多く坐ろうがお経を唱えようが、自分が何者かになるために行っている間は悟りはやってきません。

衆生のため」というのは、字義どおり衆生を救うという目的以外にも、自己を忘れるために重要なのですね。

月曜の早朝にもかかわらず、今朝は多くの方が参加してくださいましたが、CHAZENの禅仲間には、ひとの役に立ちたい、祈りをめぐらせたいという観音様的な人が多いような気がしました。そして、そういう人には、やはり福がまわってきているのを感じます。

すがすがしさ極まる朝でした。
これを持続させるべく、今週はこの星に棲む生きとし生けるもののことを考えて、「ひたすら」な時間を過ごすことを課題にします。

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太陽がいっぱい


さて、今度の日曜日のヨーガ・スートラクラスには、そんなこんなの仏教からめての、インド哲学史にも触れての、ちゃみこ節注意報が出ております。ご参加をお待ちしております。

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お口の電流とオサラバ

歯が抜ける夢を見た。
何かを噛んだら歯がくっついてきて、あ、抜けちゃったと思ったら前後の歯も次々と取れてしまう夢。歯が抜ける夢って何の意味だったっけ?と考えてもみたけど、単に先日歯科医院で定期検診したあとだからだな。

昨年、いわゆる「銀歯」だったところを白い被せ物にやり直した。
若いときに治療した歯はもちろん、いい大人になってからも治療費を安く済ませたために、金属の被せ物や詰め物だらけだった。歯の健康に対する意識が低かった。身体と歯は別のように思っていた。

4年ほど前にホリスティックな歯医者さんに通っていたとき、歯の金属によって口の中にどれくらい電流が流れているかを測定してもらって驚愕したことがある。人造人間レベルだよ。この電流の影響で難病になる人もいるし、不調の原因がこの電流だったということもあるそうだから、できれば早めに取り除きたい。

しかし、全部やり直したら150万はかかると言われてさらに驚愕した。一度には無理だけど毎年少しずつなら......と思っていたのだけど、なんか親身になってくれない歯医者さんで、遠いこともありそれっきり。

次にかかった普通の歯医者はお高くて、治療方法など信用しきれなかったこともあり、途中で転院した。転院先は例によって執念で調べまくり、日経ビジネスかなにかの特集で見つけた。最新の機械の導入によりメタルフリーの治療が短期間で可能で、費用もリーズナブルな歯医者さん。

最初にあたった先生はいまひとつ......だったけれど、コロナでしばらく行かない間に別の先生に代わったら、すべてがスムーズに動いて、最短5日とかで被せ物の歯が出来上がるので年内に余裕で終了できた。もちろん150万どころかずっとずっとお安く済んだ。

長いこと歯医者難民だったけれど、ようやく自分に合う歯医者が見つかった。そこに、満期になった生命保険を解約したのでちょっとした返戻金が入ったタイミングも重なって、一気に実現したのだった。

ものごとが進むときは、ほんとにあっけないものだ。今までどれだけ歯医者のことでスタックしてたことか......。

口腔内の電流の影響を感じてはいなかったから特別変化はないけれど、見た目が変わったことで歯を大事にしようという気持ちが生まれて、ちゃんと定期検診も受けるようになった。

それにしても、虫歯になるのは食い意地由来のお恥ずかしい生活習慣ゆえ。ラダックの人は虫歯が少ないと聞いたことがある。不食が実現できたら、歯の問題もないのだけどねえ。

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食い意地はアレでも歯を失っていない犬はこちらです

陰ヨガで調子がととのったお調子者

昨日の陰ヨガ。
春の不調をととのえるというテーマで「肝」の経絡にフォーカスしたのだけど、実は自分のために企画したか?と思えるほど、体調が悪かった私。

3月終わりに分校を行ったり来たりして、睡眠不足だったり、ストレスが多かったせいか、いつものことだけど胃腸が弱っていた。にもかかわらず、週末においしいものをいただいちゃったりしたので、内臓からくる疲れがどっと出たらしい。

陰ヨガの参加者が常連さんオンリーだったので、ほとんどのポーズを自分も一緒にとっていたところ、本日は

めっちゃ元気〜!
(どんだけお調子者だよ)

今朝はマイソールのときからもうお腹が空いてグーグー鳴る鳴る。
いやいや油断は禁物。まだ療養食で、とブランチはうどんにしたけど、こんなんじゃ足りねーよ!というくらい快腸(そやってまた負担をかけるのだけど)。

鍼行かなくても、お灸に火をつけなくても、陰ヨガがあるじゃないか〜。
と、毎回陰ヨガの威力と魅力に改めて感心しているけど、今までは何が奏功するのか漠然としていて、なんかわからないけど効くとしか思えなかったのが、「美と健康に奉仕するCHAZEN」になった今(自分の意識の中で)は、具体的に何が作用するのか理解できるようになった気がする。

中医学の勉強をかじり始めたばかりだけど、すでにいろいろなことがわかってきて面白いったらありゃしない。

昨日はクラスの前にそんな話をしてみたけど、みなさん眠そうに聞いておられた。ああ、またちゃみさんの自分で楽しいマニアックな話始まったよ......って。いや、みなさん本当にお疲れで、花粉症やら年度末やら職場の異動やらで、春の不調まっさかりだったと思う。終わったあともなんだかふにゃふにゃだった。

「肝」に負担のかかる春は、苦味のある菜の花や山菜を食すべし。

分校に出ていた蕗の薹、一部はとってきて蕗味噌にしたけど、最後の日におみやげにするつもりで忘れた......。

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スノードロップと蕗の薹


強力な助っ人をチャーターして、大きなテーブルを取りに行った日はうららかな春の陽気で、最後の最後にゲストを招いての「チップとデールのカフェ」ができた。おやつはぜんぜんチップとデールっぽくない、くるみ大福とくるみのおだんごだったけどね。(くるみだからリスっぽいか)。ちなみに、チップとデールとはディズニーアニメに出てくる2匹のリス。

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ナッツとデールじゃないよ


こちらがチップとデールのカフェ全貌でございます。切り株の椅子から連想したのが、チップンデールの世界なのでした。

あたたかくなると虫が出るのでクローズいたします。

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オープンできる日が限りなく少ない幻のカフェ


山の分校ロスかな......。

美と健康に奉仕するCHAZEN

分校のことが片付いてひと段落したので、前から気になっていた、漢方アロマとかっさを使ったフェイシャルマッサージを受けてきました。足ツボと同じように顔にも内臓の反射区があるのですね。水牛のかっさでツボを押されたとき一カ所だけ異様に痛いところがあったのですが、そこは胃の反射区でした(やっぱり)。それ以外は気持ちよい刺激で、特に翡翠のかっさのひんやりとしたなめらかな感触が心地よく、何度も眠りにおちました。

東洋医学では血液や「気」をめぐらせることが重要なのですが、自分自身の不調を考えたとき、やはり何かが滞ったとき、淀んだときに問題が生じるということがよくわかります。カラダもココロも同じです。たとえば、何かに執着するということは、そこに淀みが生まれて流れていないということです。流れているものは常に新鮮ですが、淀みはやがて腐って悪臭を放ちます。(つい政治のことを考えてしまいました)

アシュタンガヨガでは、流れるようなヴィンヤーサでもって血液や気をめぐらせ、汗をかくことで老廃物を排出して体内を浄化します。身体が浄化されると感覚器官も浄化され、やがては精神が浄化されていくというシステムです。部屋を掃除しないとホコリがたまるように、身体を動かさないとゴミがたまります。

「だからアシュタンガをおやりなさい」
というのが私のスタンスなのですが、アシュタンガをやりたい気持ちは強くあるけど朝起きられないという人が一定数いるのです。

やる気のあるなしではなく、体調に問題があるために起きられないというケースだと、いくらがんばって練習に来てと言っても難しい。それで、昨年ごろから、まずはじめに朝起きられるカラダのコンディションをつくることが先決ではないかと思うようになったのでした。これまでは朝起きられるカラダをつくるのがアシュタンガだと思っていたのですが、少し発想を変えてみたのです。

実際、不調を克服したら練習に来られるようになり、練習に来られるようになるとさらに調子がよくなって、生活など全般がうまく回り始めたという話も複数耳にしています。

ということで、これからのCHAZENはアシュタンガヨガだけではなく、アシュタンガヨガができるような健康なカラダをつくることにも力を入れていきたいと考えています。少しずつ舵を切っていくつもりですが、まずは4日の陰ヨガで春の不調をととのえる方法について中医学の観点からお話しつつ、陰ヨガのポーズでととのえていきたいと思います。

こういうこと、ほんとはずっと前からやりたかったのでした。でも、どうしても中身が伴わなくて気持ちだけで終わっていたのです。陰ヨガのクラスを行うようになってから10年以上ずっと燻り続けていた火が、今ようやく燃え始めました。

どんな人にもアシュタンガヨガを楽しんでいただけるよう、これからは「美と健康に奉仕するCHAZEN」として門戸を広げたいと思います。まだ何も変わったようには見えませんが、新しくなる気マンマンのCHAZENをどうぞよろしくお願いいたします。

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屋外の理事長室(別名トイレ)

これ、理事長室を洗いつつ、理事長本体も洗ってしまえるスグレモノ。

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お湯がたまると、早速おくつろぎに......

サヨナラ山の分校

山ノ分校ニ居リマス。

このフレーズもこれで最後。
山の分校とは明日でサヨナラです。
星の王子さまと同じように、犬の王子様もここを去らなければなりません。

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王子様とバラ......


この1年、神楽坂であちこちのお店が消えていくのを寂しい思いで眺めてきましたが、他人事ではなかったのでした。

たった2年足らずの短いご縁でした。
短いけれど、とても濃い時間でした。

最初のころは毎回絶望的になりながらも、庭に来た鹿に励まされ、自らを奮い立たせて、果てしのない作業を続けました。何よりありがたかったのは、まだジャングルだったときでさえ、喜んでリトリートに参加してくれた人たちの存在でした。今思い出しても涙が出そうです。

自分で手をかけて少しずつ整えた庭は我が子のようで、あの木あの草花がどうなるのか気になります。庭に立つと、催眠術で操られる人のように身体が動き出してしまいます。

名残惜しさが押し寄せてきますが、多くのものをもたらしてくれた分校ですから、満ち足りた気持ちで、感謝してお別れします。

分校に来ていただきましたみなさまにも厚くお礼申し上げます。

森のイスキアの夢は破れましたが、ゲストたちとの特別な時間は忘れ難いものとなりました。

それに、コロナのおかげで図らずも2ヵ月もの間山籠りの修行生活が送れたことは、天からの授かりものだったとしか思えません。またひとつ目覚めの機会をいただいた夢のような時間でした。

そのコロナによる状況の変化とCHAZEN生の練習に対する変わらぬ熱意を見て、撤退を決意したのは早かったのですが、実際に引き払うのはもう少し後のつもりでいたのです。これもまた運命なのでしょうか。あれよあれよと話が進んで、はいサヨナラとなったのでした。

とはいえ、コロナはただのきっかけにすぎません。
おそらく、ここでやるべきことは済ませたということなのでしょう。
なぜなら、このタイミングで次のなすべきことが与えられたからです。

分校はなくなっても、CHAZENはこれまでどおりに続きます。
分校はなくなっても、シュー理事長は健在です。

ちょっとだけ寂しいけれど、
本当を言えば、すごく寂しいけれど、

サヨナラだけが人生だ。

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つかの間だからこそ美しい

スートラの時間が充実

昨日は今年に入って初めての、CHAZENでの(オンラインじゃない)ヨーガ・スートラクラスでした。リアルな反応を感じながら話してこそ、CHAZENの座学らしくなるように思いました。

予告どおり、第2章で学んだサーンキヤ二元論についておさらいをしながら第3章の内容を学びましたが、それぞれがそれぞれに理解を進めたように感じています。質問が活発に出たのがその表れです。質問ができるほどに理解しているということでしょう。理解しようという試みの中から疑問が生まれるのですから。

シェアリングタイムで参加者の話を聞くのもまた理解を確認したり、別方向に派生して広がったりして印象が深まる時間です。そのなかで、子どもは生まれたばかりのときはサットヴァ(純質)が強く、だんだんラジャス(激質)味が増えていくという話が出たとき、ふと思い出したことがあります。

以前、熱海らしき海岸を浴衣で散歩中の写真をアップしたことがありますが、その断捨離作業中、どうも気になって頭から離れない写真があるのです。

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髪を伸ばして女の子に見られるようになったけどこの格好よ


何が気になっていたかについては、スートラから離れて長くなったのでこちらにアップしました。

chamico.hatenablog.com


今、コロナやら何やらで子どもたちが受難です。
そう思うと私の子ども時代は平和だったなあとつくづく思います。ただ平和すぎて何も考えてない人が多かったように思います。年をとると「今の若い子は......」と言いたくなる人が多いのですが、私は今の若い子のほうがえらいと思っているので、あまりそういうことを言ったことがありません。

今のどうしようもない政治を見て育った子どもたちが、よい社会を作ってくれるよう期待すると同時に、その子たちの未来が少しでも明るくなるような地球であるように、暮らし方生き方を探り、実践していきたいと思います。

来月以降もCHAZENにて開講のヨーガ・スートラクラスです。ぜひ一緒にそんないろいろについてお話しましょう。

www.chazenyoga.com