CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

空にする 

新しいアイデアが浮かぶのは、どんなときですか?

私の場合はアシュタンガのアーサナ練習をしているときだったりします。
練習中はただ呼吸と動きに集中するのみ......のはずなのですが、なぜ今?と思うようなタイミングで何かが突然ひらめいたり、降りてきたりということがままあります。反対に、アイデアが出てこないのは、インターネットで何かを見ているとき。情報を追うばかりで創造は生まれません。世の中の動きをチェックしているうちに、余計な情報までつい見たりして、大事な時間と脳のスペースを無駄に費やしているんですよね。

アーサナ練習のときは、さまざまな情報をシャットアウトして「今ここ」に集中するので、必然的に頭が空(カラ)の状態になります。サマーディのような極度の集中ではなく、ほどほどの集中なので、ふっと何かが降りてくるのかもしれません。空にしたところへ何かが飛び込んでくる感じです。

ヨガというものは畢竟、この「空にする」行いなのだと思います。ぐちゃぐちゃと複雑化した情報をいったん空にするためのツールということです。肉体労働ではなく、精神的ストレスにさらされている現代人、特に都会人にはこれが必要なのだと思います。

アシュタンガヨガは、カラダという容れ物を空にする、すなわち浄化すると同時に、マインドという容れ物をも空にする、一挙両得なツールです。何かが入っている容器に他のものを入れたら、混ざりあってしまったり、どれがどれだかわからなくなりますが、空の容器に入ったものはそれだけがクリアに見えます。「冴えてる」ということです。

別の言い方をすると、瞬間瞬間に生まれ変わって新しい自分になる。呼吸をするたびに、古い自分を捨てて新しい自分になっていくような経験を、私たちアシュタンギは毎朝しているということなのです。もう少し現実的なたとえだと、お掃除あるいは洗濯です。汚れたものを洗ってお日様の下で乾かす。朝、練習をしてから1日を始めることは、洗いたてのパリッとしたシャツに袖を通すようなもの。だから「気持ちいい」のでしょうね。

そんな朝の習慣で気持ちのよい毎日を過ごしてみたいと思った方にお知らせです。7月1日日曜日に「アシュタンガ入門」という特別クラスを行います。アシュタンガが初めて、マイソールが初めての方はもちろん、一度もヨガの経験がない方も大歓迎のクラスです。ぜひいらしてみてください。

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今現在足場が組まれていてこの景観は見られないのですが......。


余談ですが、CHAZENの名前を考えていたとき、候補のひとつが「空(クウ)」でした。仏教的な意味も、単にそらという意味もいいし、クーって音もかわいいなあと思って。が、ほかに使っているお店が多いので却下しました。結局CHAZENなんていうヘンテコリンな名前に決めて若干後悔もしたのですが、ヘンテコゆえに今ではけっこうこの名前でよかったと思ってます。

当時CHAZENでググると、 Chazen Museum of Artというウィスコンシン州にある美術館がトップヒットしたのも決め手になりました。Chazenというのは人名らしく、発音もチャゼンではなくチェイゼンみたいですが、この美術館のロゴがCHAからイメージする●■▲なんですよね。禅画を連想させるこの発想......。
www.chazen.wisc.edu

いつか訪ねてみたいなあ。