CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

先生は基本ひとり

日本でアシュタンガが流行り始めてから十数年になるので、一緒に練習してきた朝練仲間たちも次々に指導者になっている。自分でマイソールクラスをもつ人たちも続々と現れている。マイソールクラスは通いやすい場所にあることがポイントなので、できるだけあちこちにあるといい。マイソール東京でタリックに教わっていてインドのシャーラーで練習をしてきた人は、ひとりの先生が毎日教える本来のマイソールスタイルの重要性をよく知っているはずだから、その系統のマイソールクラスが増えることを願ってやまない。

とはいえ、以前の私はそのへんの感覚が希薄だった。
2回目にインドのシャーラーに行ったとき、7月中旬から行きたいと申し込みしたら、シャラート先生クラスは7月はいっぱいなので、8月からにするか、サラスワティ先生のクラスに入るようにと返事があった。それならばと、7月はサラスワティ先生のクラスで練習して8月からシャラート先生のクラスに入れないかメールしたら、それはできないと言われた。

先生は基本ひとりなのだ。
今月はあの先生、来月はこの先生という選択はないということが、そのときの私にはまだわかっていなかった。ヨガスタジオで教わるヨガは毎回先生が変わるのが普通だ。けれども、マイソールに2カ月以上滞在するうちに、アシュタンガヨガはヨガスタジオなどで現代人に合わせた便利さ重視のヨガとは違うことがよくわかってきた。そして、それがわかればわかるほど、当時自分が週に2回ほどやっていたマイソールクラスでは本当のアシュタンガヨガを伝えることはできないと思い至ったことがCHAZENを始めるきっかけとなった。

CHAZENのすべてはそこから始まっている。「毎日やるのがアシュタンガ」というのもそこに端を発する。私がCHAZENを続けている理由はその思いによるものでしかない。

この感覚はインドのシャーラーで学ばないと得られないのかもしれないなあと思ったりする。だからアシュタンガヨガの指導者はインドのKPJAYIで学ばねばならぬのだ。

それにしても、アシュタンガヨガの指導者はTTで養成されるようなものではなく、長く毎日の練習を続けていることが大前提なので、アシスタントなどをして訓練を積み、性格や身体も適正で、物理的に朝教えるだけの時間がある人となると、これはもうほんの一握りしか見つからないの。しかるべき先生はだいたいすでに教えていて忙しいので、常に人材難でもある。そもそも、アシュタンガヨガの指導はアーサナのテクニックを教えるためものではないのだということがわかっている人の絶対数が少ないし......。

そっちのほうがマジョリティになる日がくるのかどうか。それが問題だ。


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