CHAZEN三昧

アシュタンガヨガと禅のある毎日

やっぱり侘び飯

食養生のことを考えると、ちゃんとしたものを食べたいと思うわけです。いいものは食べなくていいけど、なるべくなら正体不明のあれやこれやが入っていないものを食べようと思うのです。

しかし、そういう観点で品物を選ぶとなると、普通のスーパーなどでは購入したいものが限られる。かといって、すべて安心安全なオーガニック製品にこだわるのも、これまた違うような気がしております。さらには、できるだけプラスチックゴミが出ないものをなどと考えたら、もう買えるものがなくなってしまいます。

最近、土井善晴著『一汁一菜でよいという提案』のことを思い出して読みました。何年か前に話題になって、読みたいと思っているうちに時が過ぎてしまった本です。お父様の土井勝さんは「きょうの料理」などでおなじみの料理家で、私の世代ならきっと記憶にあるでしょう。想像どおり、私の読みたいことが書いてありました。すなわち、栄養価や健康食としての面よりも、シンプルで慎ましい日本の食事で暮らしのリズムをととのえるという意味においての一汁一菜の提案なのです。

私が推奨する「侘び飯」とも似ています。

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改めて「侘び飯」でいいのだなと思いました。糖質制限じゃとか、なんじゃとかかんじゃとか面倒なことを考えなくても、加工品の原材料をチェックしなくても、侘び飯食べてれば大丈夫なんじゃと。そもそも、変わったものを食べようなどと思わなければ、あるいは手軽で安上がりとか、おいしいものを求めなければ、スーパーで「買えるものがない」などと嘆く必要はなかったのでした。

さほど手間をかけなくても、素朴なものを作ればいいのです。具だくさんの汁を作ればいいのです。酒粕があるので、鮭のアラを買ってきて粕汁を作りました。父がコレを肴に晩酌していたことなど思い出しながら作る冬の定番メニューです。長らく鮭を入れないベジ粕汁ばかり食べていましたが、鮭を入れるとごちそう感が出ます。鮭から出汁と塩分が出るので、みずみずしい大根や根菜を煮て、出汁も調味料も入れずに酒粕だけで色白に仕立てるのがワタシ流。

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玄米は心のこもった宮城米


鮭が入っていることで「侘び」感がちょっと削がれますが、侘びた風情で食べると、玄米をすごくよく噛むことに気づきました。考えればそれもそのはず。お茶室で侘び茶をいただくときにガブガブ飲んだりしませんし、懐石をいただくときにかきこむように食べたりしません。

やっぱり侘び飯がいい。
世間一般からすると「侘しい食事」とネガティブにとらえられるでしょうが、わかる人にはわかってもらえるでしょう。健康面だけでなく、暮らしの嗜みとしてもおすすめしたい侘び飯です。


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